【4年生B】春季区民大会2024 予選リーグ 総括
内藤です。
7月13日(土)、比較的涼しい曇り空の下、4年生の春季区民大会の予選リーグが開催されました。内藤の帯同したBチームについて、レポートします。
【出場選手】
ユウヤ
トウマ(体調不良で当日欠場)
カンタ
アラタ
レンタロウ
フミヒト
ダイチ
シュンタロウ
ケイシ
ジミー
この予選リーグの対戦相手の中には、富ヶ谷のAチームもいました。
直接対決があることをふまえ、Bチームとして試合に望むことの意味を、皆に確認しました。
「勝ったけどつまらない試合と、負けたけど面白い試合、どちらがいい?」
皆が口を揃えて、”負たけど面白い試合”と答えました。
公式戦ではありますが、勝負そのものにこだわるのではなく、サッカーというスポーツの楽しさを十二分に実感してもらうことにしました。
サッカーを楽しむために必要なことは3ポイントだと考えています。
[1] 基礎技術。いわゆる、走る、止める、蹴る、運ぶです。
[2] 本気で試合に挑むという気持ち。
[3] 思考と表現。
1の基礎技術は普段の練習や、個人練習の中でじっくり力をつけるものなので、試合当日にどうこうできるものではありません。一人でも、仲間とでも、お父さんお母さんともできる練習なので、ぜひチャレンジしてもらいたいです。
一方、2の気持ちについてですが、Bチームのメンバーは、すでに全員が本気で挑む強い気持ちを持っています。
なので、この日は[3] 思考と表現 を重視したコーチングを行いました。
「ゴールキーパーのいちばん大切な仕事って何?」
と問いかけました。このクイズ、どの学年にしても最初は必ず外すんですが、ジミーが
「パス!」
といきなり正解を出したので、びっくりしました笑。
おそらくこれはどのチームもそうだと思うのですが、Bチームの選手というのはどうしても守備的になる傾向があります。
だからこそ、ゴールキーパーを始め、すべてのポジションに攻撃に関する大切な役割があり、攻撃的になることの意味を伝えました。特に、守備のポジションに光を当てて解説しました。
今回のフォーメーションは3-3-1。
サイドバックはゴールキックを受け、縦につなげていく。スローインはすべてサイドバックが行うことでディフェンスラインを積極的に上げるとともに、攻撃の枚数を増やす。
センターバックはディフェンスラインを統率し、積極的に押し上げ攻撃を有利にするだけでなく、中盤からバックパスを受けてサイドチェンジの起点になる。
ゴールキーパーは、ゴールキックでもパントキックでもロングパスを狙わないこと。ショートパスでも中央は狙わない。左サイドバックか右サイドバック、そこが無理なら左ハーフか右ハーフを狙い、サイドから確実にボールをつなげる。
中盤のミッドフィールダー(ハーフ)が前に進めなくなったら、後方のセンターバックに下げ、そこからサイドチェンジを行う。
などなど。
実は普段、Bチームに対してはあまり具体的に示さないチームの基本戦術をじっくりと説明しました。これまで説明を避けていたのは、まだまだ選手それぞれとサッカーとの距離感がまちまちだったからです。戦術説明をしてしまうことでかえってサッカーがつまらなくなってしまうことを心配していました。
でも、今回の4年生Bチームは、サッカーを頭で理解したい、という気持ちと準備がしっかりできていました。基本戦術を共通理解とすることで、みんなが連動できるようになり、クリエイティブな応用ができるようになります。
思考しながら表現しようとすることで、サッカーの面白さがぐっと上がることを期待しました。
■第1試合 vs 美竹SC
負 1-7
左ハーフのシュンタロウは、前方へ進めるのが難しいと感じた際に、センターバックのレンタロウにバックパス(落とし)を行いました。素晴らしいシーンだったと思います。レンタロウも左から来たボールを右にはたき、頭を使ったサッカーを表現し始めます。この試合では特に、左サイドバックのカンタから左ハーフのシュンタロウへのパス成功率の高さが目立ちました。カンタがあえてゴールライン近くまで下がってパスをもらうことで、相手選手を中途半端な位置に釣り出し、シュンタロウも意図を読み取ってパスコースに顔を出す動きをしていました。
得点を決めたのはセンターハーフのフミヒト。ゴールキーパーにプレッシャーを掛け、ボールを奪い技アリの股抜きゴール。フミヒトは自分ひとりの力ではなく、みんなの力でつながったゴールだった、と連動の手応えを感じていました。
レンタロウは初めてのセンターバックというポジションに戸惑っているシーンもありました。ベンチからディフェンスラインを上げるように指示をされる回数も多く、試合後、いそがしかった、と語っていました。
でも、ボールがないところで忙しくする、というのはサッカーにとって大切なことです。レンタロウをセンターバックにおいたのは、足元の技術が高いということもありますが、ゲームを組み立てる楽しさを学んでもらうためでもあったので、この”忙しかった”という感想は100点満点だと思いました。
■第2試合 vs 富ヶ谷A
負 0-16
相手は強い、だから少しでも得失点差で有利になるためにディフェンスの枚数を増やしてラインを下げる・・・というような消極的戦術は取りませんでした。何点取られても自分たちのサッカーの形を目指すことを重視し、初戦と同じ基本戦術で挑みました。点差こそ開きましたが、Bチームが勝っていた部分が一つだけありました。それは、チームとして自分たちのサッカースタイルを共有していたことです。Aチームは相手がBチームだからか、個の力に頼った強引なスタンドプレーが目立ちました。Bチームとしてはまだまだ技術やスピードで届かない部分もあり失点は多くなりましたが、試合の中でチームが目指す形を実現しようと、みなが意識と思考を共有し、表現しようとしていたのはすばらしかったです。一方のAチームはハーフタイムで吉野コーチによる修正を受けたことで次第にチームとしての完成度の高さを取り戻していき、Bチームはどんどん苦しくなりましたが、最後まで心を折らずに戦いきった姿には、大きな拍手を送りたいです。
■第3試合 vs 本町
負 0-6
このゲームでは、内藤はほとんど声を出していなかったと思います。レンタロウは積極的にディフェンスラインを押し上げ、自分たちでゲームを作り始めていました。トップをやりたい、と主張したケイシでしたが、この日はトウマの穴を埋める形で右サイドバックに入ってもらいました。ケイシはBチームの中ではレンタロウ、ジミー、フミヒトと並んで攻撃が得意な選手です。でも、仲間と連携するより個で打開しようとする事が多いので、この日はチームとの連動を意識するきっかけを見つけてもらおうと思いました。レンタロウ、カンタとのディフェンスラインは、最初のうちはバラバラでしたが、3試合目の頃になるとスムーズに連動できるようになりました。
ゴールキーパーのユウヤのパスは素晴らしかったです。4つの選択肢をうまく使い分け、確実な攻撃の一歩目として安定感あるプレーを見せてくれました。みんなが目指す形を共有していることもあり、右ハーフのアラタの運動量が効果的でした。ここでアラタが行ってくれるから、自分はここを、、、という連動のきっかけをたくさんつくっていました。3年生からの助っ人ダイチは、さすがにチーム戦術の理解、共有というところまでは到達していなかったため、右サイドバックを任せたときはうまくハマりませんでしたが、ワントップに据えると一転、水を得た魚のように躍動し、相手ゴールに果敢に迫りました。
もう一人のワントップ、ジミーによるカウンター攻撃も再三にわたりベンチと観客席を騒がせます。体の大きさを活かしたプレーを身につけると、決定力が格段に上がりそうで、今後の期待大です。
この試合は、ベンチにいるコーチたちは見ているだけでOKでした。しっかりと自分たちで修正し、サッカーの形をみんなで作ろうと楽しく頑張っていたと思います。
結果、Aチームと引き分けたリーグ2位の本町を相手にこの日最小失点。特に後半だけ見れば0-2と、かなりの善戦だったと言っていいでしょう。
■最後に
3試合目が終わった後、みんなに聞きました。
「どの試合が一番楽しかった?」
もちろん、聞かずとも答えはわかっていました。
「絶対3試合目!」
みんなが目を輝かせて答えてくれました。
みんなでチーム戦術を共有し、指示されて動くのではなく自分たちの頭で考え、表現しようとチャレンジを続けた素晴らしいゲームでした。
”負たけど面白い試合”・・・その意味を大きくレベルアップした1日になったと思います。
このチームのキーとなる選手、トウマは残念がら体調不良で出場できませんでしたが、次の順位決定リーグでは、トウマを加えて、みんなのサッカーの形のさらなる進化を追い求めていきましょう。
そして目指しましょう、「勝った&楽しい試合」を。
7月13日(土)、比較的涼しい曇り空の下、4年生の春季区民大会の予選リーグが開催されました。内藤の帯同したBチームについて、レポートします。
【出場選手】
ユウヤ
トウマ(体調不良で当日欠場)
カンタ
アラタ
レンタロウ
フミヒト
ダイチ
シュンタロウ
ケイシ
ジミー
この予選リーグの対戦相手の中には、富ヶ谷のAチームもいました。
直接対決があることをふまえ、Bチームとして試合に望むことの意味を、皆に確認しました。
「勝ったけどつまらない試合と、負けたけど面白い試合、どちらがいい?」
皆が口を揃えて、”負たけど面白い試合”と答えました。
公式戦ではありますが、勝負そのものにこだわるのではなく、サッカーというスポーツの楽しさを十二分に実感してもらうことにしました。
サッカーを楽しむために必要なことは3ポイントだと考えています。
[1] 基礎技術。いわゆる、走る、止める、蹴る、運ぶです。
[2] 本気で試合に挑むという気持ち。
[3] 思考と表現。
1の基礎技術は普段の練習や、個人練習の中でじっくり力をつけるものなので、試合当日にどうこうできるものではありません。一人でも、仲間とでも、お父さんお母さんともできる練習なので、ぜひチャレンジしてもらいたいです。
一方、2の気持ちについてですが、Bチームのメンバーは、すでに全員が本気で挑む強い気持ちを持っています。
なので、この日は[3] 思考と表現 を重視したコーチングを行いました。
「ゴールキーパーのいちばん大切な仕事って何?」
と問いかけました。このクイズ、どの学年にしても最初は必ず外すんですが、ジミーが
「パス!」
といきなり正解を出したので、びっくりしました笑。
おそらくこれはどのチームもそうだと思うのですが、Bチームの選手というのはどうしても守備的になる傾向があります。
だからこそ、ゴールキーパーを始め、すべてのポジションに攻撃に関する大切な役割があり、攻撃的になることの意味を伝えました。特に、守備のポジションに光を当てて解説しました。
今回のフォーメーションは3-3-1。
サイドバックはゴールキックを受け、縦につなげていく。スローインはすべてサイドバックが行うことでディフェンスラインを積極的に上げるとともに、攻撃の枚数を増やす。
センターバックはディフェンスラインを統率し、積極的に押し上げ攻撃を有利にするだけでなく、中盤からバックパスを受けてサイドチェンジの起点になる。
ゴールキーパーは、ゴールキックでもパントキックでもロングパスを狙わないこと。ショートパスでも中央は狙わない。左サイドバックか右サイドバック、そこが無理なら左ハーフか右ハーフを狙い、サイドから確実にボールをつなげる。
中盤のミッドフィールダー(ハーフ)が前に進めなくなったら、後方のセンターバックに下げ、そこからサイドチェンジを行う。
などなど。
実は普段、Bチームに対してはあまり具体的に示さないチームの基本戦術をじっくりと説明しました。これまで説明を避けていたのは、まだまだ選手それぞれとサッカーとの距離感がまちまちだったからです。戦術説明をしてしまうことでかえってサッカーがつまらなくなってしまうことを心配していました。
でも、今回の4年生Bチームは、サッカーを頭で理解したい、という気持ちと準備がしっかりできていました。基本戦術を共通理解とすることで、みんなが連動できるようになり、クリエイティブな応用ができるようになります。
思考しながら表現しようとすることで、サッカーの面白さがぐっと上がることを期待しました。
■第1試合 vs 美竹SC
負 1-7
左ハーフのシュンタロウは、前方へ進めるのが難しいと感じた際に、センターバックのレンタロウにバックパス(落とし)を行いました。素晴らしいシーンだったと思います。レンタロウも左から来たボールを右にはたき、頭を使ったサッカーを表現し始めます。この試合では特に、左サイドバックのカンタから左ハーフのシュンタロウへのパス成功率の高さが目立ちました。カンタがあえてゴールライン近くまで下がってパスをもらうことで、相手選手を中途半端な位置に釣り出し、シュンタロウも意図を読み取ってパスコースに顔を出す動きをしていました。
得点を決めたのはセンターハーフのフミヒト。ゴールキーパーにプレッシャーを掛け、ボールを奪い技アリの股抜きゴール。フミヒトは自分ひとりの力ではなく、みんなの力でつながったゴールだった、と連動の手応えを感じていました。
レンタロウは初めてのセンターバックというポジションに戸惑っているシーンもありました。ベンチからディフェンスラインを上げるように指示をされる回数も多く、試合後、いそがしかった、と語っていました。
でも、ボールがないところで忙しくする、というのはサッカーにとって大切なことです。レンタロウをセンターバックにおいたのは、足元の技術が高いということもありますが、ゲームを組み立てる楽しさを学んでもらうためでもあったので、この”忙しかった”という感想は100点満点だと思いました。
■第2試合 vs 富ヶ谷A
負 0-16
相手は強い、だから少しでも得失点差で有利になるためにディフェンスの枚数を増やしてラインを下げる・・・というような消極的戦術は取りませんでした。何点取られても自分たちのサッカーの形を目指すことを重視し、初戦と同じ基本戦術で挑みました。点差こそ開きましたが、Bチームが勝っていた部分が一つだけありました。それは、チームとして自分たちのサッカースタイルを共有していたことです。Aチームは相手がBチームだからか、個の力に頼った強引なスタンドプレーが目立ちました。Bチームとしてはまだまだ技術やスピードで届かない部分もあり失点は多くなりましたが、試合の中でチームが目指す形を実現しようと、みなが意識と思考を共有し、表現しようとしていたのはすばらしかったです。一方のAチームはハーフタイムで吉野コーチによる修正を受けたことで次第にチームとしての完成度の高さを取り戻していき、Bチームはどんどん苦しくなりましたが、最後まで心を折らずに戦いきった姿には、大きな拍手を送りたいです。
■第3試合 vs 本町
負 0-6
このゲームでは、内藤はほとんど声を出していなかったと思います。レンタロウは積極的にディフェンスラインを押し上げ、自分たちでゲームを作り始めていました。トップをやりたい、と主張したケイシでしたが、この日はトウマの穴を埋める形で右サイドバックに入ってもらいました。ケイシはBチームの中ではレンタロウ、ジミー、フミヒトと並んで攻撃が得意な選手です。でも、仲間と連携するより個で打開しようとする事が多いので、この日はチームとの連動を意識するきっかけを見つけてもらおうと思いました。レンタロウ、カンタとのディフェンスラインは、最初のうちはバラバラでしたが、3試合目の頃になるとスムーズに連動できるようになりました。
ゴールキーパーのユウヤのパスは素晴らしかったです。4つの選択肢をうまく使い分け、確実な攻撃の一歩目として安定感あるプレーを見せてくれました。みんなが目指す形を共有していることもあり、右ハーフのアラタの運動量が効果的でした。ここでアラタが行ってくれるから、自分はここを、、、という連動のきっかけをたくさんつくっていました。3年生からの助っ人ダイチは、さすがにチーム戦術の理解、共有というところまでは到達していなかったため、右サイドバックを任せたときはうまくハマりませんでしたが、ワントップに据えると一転、水を得た魚のように躍動し、相手ゴールに果敢に迫りました。
もう一人のワントップ、ジミーによるカウンター攻撃も再三にわたりベンチと観客席を騒がせます。体の大きさを活かしたプレーを身につけると、決定力が格段に上がりそうで、今後の期待大です。
この試合は、ベンチにいるコーチたちは見ているだけでOKでした。しっかりと自分たちで修正し、サッカーの形をみんなで作ろうと楽しく頑張っていたと思います。
結果、Aチームと引き分けたリーグ2位の本町を相手にこの日最小失点。特に後半だけ見れば0-2と、かなりの善戦だったと言っていいでしょう。
■最後に
3試合目が終わった後、みんなに聞きました。
「どの試合が一番楽しかった?」
もちろん、聞かずとも答えはわかっていました。
「絶対3試合目!」
みんなが目を輝かせて答えてくれました。
みんなでチーム戦術を共有し、指示されて動くのではなく自分たちの頭で考え、表現しようとチャレンジを続けた素晴らしいゲームでした。
”負たけど面白い試合”・・・その意味を大きくレベルアップした1日になったと思います。
このチームのキーとなる選手、トウマは残念がら体調不良で出場できませんでしたが、次の順位決定リーグでは、トウマを加えて、みんなのサッカーの形のさらなる進化を追い求めていきましょう。
そして目指しましょう、「勝った&楽しい試合」を。