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【3年生】春季区民大会予選リーグ2024 総括

【3年生】春季区民大会予選リーグ2024 総括
監督の内藤です。
サッカー日本代表の新しいユニフォームが発表された本日6月22日。3年生の春季区民大会予選が開催されました。
いつもであれば全試合終了後に総括を書き始めるものですが、今回は大会当日の朝、つまり試合前にこれを書き出しています。

というのも、指導者としてチームのみんなに対して一つ申し訳なく思っていることがあるからです。それは、大会までにこのチームらしいサッカーをつくりあげることができなかったこと、です。

昨年度から今年度にかけて主力級の選手が4人もいなくなり、その一方でグラウンドのサイズは2倍、6人制から8人制へのシフト。

今年4月、チームは再構築が必要になりました。

それから2ヶ月。今回の大会に望む10人のメンバーは、まだ”同じサッカー”を共有していません。わかりやすくいうならば、「自分たちらしい攻め方、守り方」というものができあがっていない、そんな状態で大会に望むことになりました。

ディフェンスライン(ディフェンスの選手の縦方向の位置を1直線に整えている状態)を高く保ち※、相手から奪ったボールをショートパスで繋いで攻撃を組み立てる。日々の練習では、そんなサッカーを組み立て中でした。

※ディフェンスラインについてはこちらの動画で解説しています。
https://youtu.be/9r1WiaUkkLc

しかしそれは、まだゲームの中で実行できる段階ではありません。
少なくとも、先週の練習試合を見る限り、ディフェンスラインの概念すらまだおぼろげでした。

今日は、きっと勝つことは難しいでしょう。
それでもひとりひとりが何かを得られるよう、挑んでもらいたいと思います。

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【予選全試合を終えて】

内藤の予想は半分あたり、半分外れました。
勝つことができない、という予想はあたりました。結果は、0勝2敗1分け。しかし、その内容は内藤の想像していたものとは違いました。彼らのサッカーは、その形がうっすらと見えるほどに仕上がりが進んでいたのです。
子どもたちの成長に驚かされました。

ディフェンスリーダーのヒロトがディフェンスラインを上げ、両サイドバックのミドリ、サエあるいはシンノスケがしっかりと息を合わせることで、3試合通して20近くのオフサイドを獲得しました。

また、高い位置でディフェンダーが奪ったボールは、ちょうどよい距離感のハーフの選手にパスが通りやすく、攻撃が得意な2年生選手5名とうまく連動し、3試合を通して3得点をマークしました。

チームの再構築がしっかりと進んでいる、そんな手応えを感じました。
同じことをまた言ってしまいますが、子どもの成長は大人の想像をはるかに超えるものですね、びっくりです。

【試合別寸評】

[1] vs セントラルC
負 0-9

ディフェンスラインについては、ベンチからの声が必要でしたが、声をかければラインの上げ下げができる、という具合で機能していました。たくさんのオフサイドを取りましたが、3バック(3人のディフェンス)それぞれの間が間延びしてしまい、そこをドリブルで切り裂かれ失点するケースが多く目立ちました。ただ、ミドリは相手のパスを読むセンスが良く、パスカットを成功させる回数が多かったです。


[2] vs 本町A
負 1-7

ゴールキーパーはサエ。カウンターで真ん中を駆け上がる相手フォワードのドリブルに対し、ゴールキーパーとして前に出ることでプレッシャーを掛けシュートミスをいくつも誘いました。代わって攻撃に参加するダイチは、相手陣内左サイドから、中央を走るエイタに技アリのスルーパスを成功させます。ヒロト(3年)は相手の縦方向のパスに対し、体をうまく入れゴールキックを獲得。
少ないチャンスに舞い込んだコーナーキック。ゴール前でコウノスケがワントラップ、ターンして鮮やかなシュートを打つもこれはわずかに枠(ゴール)を捉えきれず。この頃には、ベンチからの声掛けがなくても、自分たちでディフェンスラインを整える動きがあり、オフサイドの獲得も多くなってきます。ゴール前に切り込んだコウノスケのシュートが跳ね返されたところを、よくつめていたヒロト(2年)がしっかり押し込んでこの日チーム初得点。


[3] vs 千駄谷B
分 2-2

試合前、2つのめあてを伝えました。
(1)味方を責めないこと
(2)自分たちのサッカーをつくること
の2つです。
しかし、暑い天候での2試合のあとで、みんなの集中力が切れているように感じました。喧嘩したりダラダラしたり遊んだり。初めての大きなピッチでの試合だったし仕方ないかなと感じつつ、なにかでみんなの気持ちを引き締められないかなぁ、と考えました。そこで意地悪な僕は、「これは、次の試合は勝てないなぁー」とヘラヘラしながらみんなに伝えました。「ひどっ!」「そういうことは言っちゃいけないんだよっ」「監督大嫌い!」と好反応(?)。
試合開始直前には、円陣を組んで「絶対勝つぞー!」「オー!!!」。
この日、もっとも仕上がったゲームを見せてくれました。

ミドリはナイスなクリアを見せるだけでなく、次第に奪ったボールをパスでつなげることもできるようになっていきました。自分たちの攻撃の番になると、僕に言われる前にヒロト(3年)は両手を使ってラインを上げ、見事にディフェンスラインを統率します。それだけでなく、ディフェンス3枚のうち一人をハーフウェイラインに残し、自身ともう一人を連れてさらに前線まで上がっていくなど、はやくも大人のサッカーを実践します。
コンパクトに仕掛ける富ヶ谷SCの攻撃の中、ドリブルで切り込んだケイヒルは反則タックルで倒されフリーキックを獲得。
ゴールまで少し距離がありましたが、しっかりと枠を捉えたケイヒルのシュートは、その先にいたシュウの見事なワンタッチを経由してゴールに吸い込まれます。その後相手のゴールも決まり一進一退の好ゲーム。
見せ場を作ったのは、高い位置の守備から始まったカウンターで抜け出したエイタ。その小さな背中からは、ゴールが決まる予感がしっかりと感じられました。見事な追加点を決めます。千駄谷が得意とするクロスからの攻撃に苦しめられ、最終的に2-2の引き分けとなりましたが、このゲームでは富ヶ谷SC3年チームのサッカーの形がうっすらと見えていました。


【総評】

大きなグラウンドでの8人制のサッカーへの変更。
ディフェンスが引きすぎてしまって中盤との距離が間延びし、その広大なスペースを相手チームにいいように使われてやられてしまう、というのが、各クラブ3年生春の段階での負けパターンです。
そのため、まず初めに、オフサイドの理解はもちろん、ディフェンスラインを統一し、攻撃時にそのラインを上げることの習慣づけが大切だと考えています。

これまで以上に一人の力より、仲間と連動することが大切になっています。

順位決定リーグでも、自分たちらしいサッカーづくりをがんばっていきましょう。