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【2年生A】春季区民大会2024 決勝リーグ 総括

【2年生A】春季区民大会2024 決勝リーグ 総括
コーチの渡辺です。
予選に引き続き絶好のサッカー日和となった4月27日(火)、2年生春季大会決勝リーグが開催されました。富ヶ谷SCはAチームが2位リーグ、Bチームが4位リーグを戦いました。

結果的にAチームは2勝1敗1分の2位、Bチームは1勝2敗で3位となりました。

Aチームの方はどの試合でも良い形を作り優勢に試合を進めたものの、なかなか点を決めきれず、1試合を落とし、1試合を引き分け、惜しくも2位となりましたが、予選大会の課題であった得点力については、より攻撃的な戦術を試して改善した部分も見られるなど手応えも感じられる結果となりました。

Bチームの方は1勝2敗で残念ながら負け越してしまいましたが、選手全員が気迫の籠ったプレーを見せ、最後には1勝を勝ち取り、清々しい笑顔を見せてくれました。真剣に戦ったからこその笑顔だったと思いますし、何よりも、皆がサッカーを楽しんでいることが伝わってきて、この先の成長がとても楽しみだなと感じました。

今回はAチームについてレビューします。Bチームは守谷コーチから別に総括していただきます。

【Aチーム結果】
VS千駄ヶ谷B 1−1
 得点者:ヒロト
VSセントラルC 3−1
 得点者:ヒロト×2、シュウ×1
VSトリプレッタ A 1−2
 得点者:ケイヒル×1
VS東部B 2−0
 得点者:エイタ×1、ケイヒル×1

【戦評】
初戦の千駄ヶ谷戦は1−1の同点となりました。前半はほとんど富ヶ谷のペースで、よくパスを繋ぎ、ケイヒル、エイタ、シュウが攻撃の形を作り、こぼれ球にヒロトが詰める理想的な攻撃を展開してくれました。ピンチらしいピンチはなく、相手チームの裏への飛び出しも、トウマとカイが積極的に飛び出して、ピンチを摘み取り、終始富ヶ谷が押し気味にゲームが展開する中で、シュウのシュートがブロックされたこぼれ球に詰めたヒロトが左足でゴール角に素晴らしいゴールを決めてくれました。後半も富ヶ谷ペースで試合が進み、エイタ、ケイヒル、ヒロトが何度かゴールに迫りますが決め切れず、後半残り3分ほどの時間帯に、自陣でボールを奪われ、シュートの跳ね返りを詰められて失点を許してしまい、残念ながら同点で試合を終えました。勝てそうな試合だっただけに選手たちにとっても悔しい結果だったと思います。

勝ちきれなかった原因はいくつかあると思いますが、まずは、前半と後半の大半を優勢に進めながら、1点しか取れなかったところは反省点として挙げられると思います。得点力アップは前回予選からの課題として、練習や練習試合で攻撃面を中心に練習してきましたが、コーナーキックやスローインでタイミングを合わせる動きなど改善が見られ、練習の成果は見えつつあるものの、フィニッシュの部分での精度はまだまだ改善の余地があると感じました。シュートを枠に入れる、コースを狙う、シュートのタイミングで相手からのプレッシャーを受けないよう、ボールをトラップしてからシュートまでの時間をできるだけ短くするなどの練習は今後も取り組んでいきたいと思います。

交代のベンチワークにも反省点があったと思います。通常のサッカーの試合では、接戦で勝っている場合、できるだけバランスを崩さないように選手交代はせず、交代しても守備的な選手を投入することがセオリーだと思いますが、今回は敢えてオフェンスの選手を入れ替えました。結果的に前線からの守備のバランスが崩れて失点につながってしまい、途中交代した選手もとても入りづらいゲームだったと思いますし、結果的に選手達には厳しい戦いを強いてしまい、大変申し訳なかったと思います。

今回選手交代をした理由はできるだけベンチの選手にも経験を積ませたかったからです。今回は2位リーグで入賞順位を争う試合ではありませんでしたし、3年生になれば8人制となり、その時のスタメンは現時点ではまだ決まっていませんが、今のAチームの8人はスタメンになる可能性が高いため、できるだけ強度の高い試合に出場してもらうことは重要だと考えたためです。例えばもう1点差つけている試合であったり、逆に負けている試合などでは試合への入り方も結果も異なっていたと思います。今回は残念な結果ではありましたが、今後入賞を狙っていくのであれば、そもそも前半の時点でもっと点差をつけたり、交代してからも失点せず、得点できるようなチームを作って行かなければと感じました。

第2試合は、前回予選で1−0だったセントラルC戦。今回は3−1となりました。この試合は、前回予選で相手が守備を固めるチームだったため、これまで守備の要だったトウマを敢えてベンチに下げて、代わりにコウノスケをディフェンスに入れて、攻撃に人数をかけること、パスの上手なコウノスケをディフェンスに置くことで、ディフェンスラインから攻撃のスイッチを入れることを意識しました。

結果的に、前半は優勢に試合を進め、ゴールキックを奪ったヒロトがそのままシュートしゴール、その後もエイタ、シュウ、ケイヒル、ヒロトの4人が前掛りに攻撃を展開し、コウノスケがフォローしながら後ろからボールを前線にフィードする展開が続き、何度かゴールに迫りましたが、追加点には至らず。

後半は前のめりになりすぎていたため、序盤にサイドでボールを奪われた際に中で守る選手が足りず、カウンターを受ける中でファウルしてしまい、PKでゴールを奪われましたが、その後はしっかりとボールをつなぎ、ペナルティエリア付近でボールを奪ったヒロトが左サイドのシュウに繋いでシュウが落ち着いて左足でゴールのサイドに流し込み2点目、さらに右サイドを駆け上がったエイタのセンタリングを再びヒロトが合わせてゴールの左隅に流し込み追加点を得て、最終的に3−1で勝利しました。

フィニッシュの精度には改善の余地がありますが、センタリングによる得点、パスを繋いでのゴールが見られたことは収穫でした。何度も良い形を作れていたので、ここをしっかり決め切れるチームになれるよう改善していきたいと思います。また、前がかりになったことで、カウンターを食らい易くなった点についても改善が必要だと感じました。攻撃的な選手を入れすぎると、攻撃時に全員が上がってしまう癖が抜けておらず、ディフェンスが足りなくなってしまうため、ディフェンスの選手のうち1人は残ってバランスを取る約束事は練習や練習試合を通じて確認して行くようにしたいです。

第3戦はトリプレッタ戦です。おそらく今回トリプレッタは均等割のチーム編成で、ベストメンバーではないものの上手な選手が何人かいましたが、前半は富ヶ谷の優位で試合を進め、敵のスローインを弾き返したこぼれ球をケイヒルが拾ってドリブルで運び上がり、敵1人を抜き去って先制点を決めました。その後も富ヶ谷が押し気味で試合を進め、前半で相手のシュートは2本程度でしたが、富ヶ谷は前半だけで5本以上のシュートを放ちキーパーと1対1の場面も2回以上作っていました。しかし、後半残り1分のところで、自陣ゴール前の相手のスローインをパスカットした際に相手と交錯して相手選手を倒してしまいフリーキックをとられ、これを決められて同点となりました。

後半は、前半にGKをしていた相手の主力選手がフィールダーで出場しました。その選手は、足が早く、ボールタッチも柔らかく、シュートも強い選手で、このため前半に比べて攻めこまれるシーンが増えましたが、それでもよく耐えて、相手にシュートを打たせず、富ヶ谷もボールを奪えば相手ゴール前までボールを運ぶ肉薄した展開が続きました。しかし、同選手にクリアのこぼれ球を奪われ、美しいボレーシュートを決められてしまいました。

ところで、ベンチからはよく見えなかったのですが、後からビデオを見るとこぼれ球のトラップはハンドのように見えました。ビデオを見返すと、ハンドの際にそれが見える位置に複数の富ヶ谷の選手がいましたが、相手に気押されたのか、特にハンドをアピールすることなく、そのままゴールは認められました。低学年の試合では、わざとではないハンドは審判から意図的にスルーされることもありますし、富ヶ谷のハンドがスルーされることもあるのでお互い様ではあります。ただ、得点に関わるハンドであれば、それをアピールすることは当然だと思います。区民大会ではVAR(ビデオアシスタントレフェリー)も導入されていないので、主審の主観で判断が下されますが、ここでしっかりハンドをアピールできていれば結果は変わっていたかもしれません。それ以前に、前半のチャンスでもっと得点を取り切る力を伸ばす方が先ではありますが、今回の例を教訓に、勝つためにできることを全て出し尽くすような勝負強さを身につけていってほしいと思います。

また、トリプレッタ戦では、1年の秋季大会よりも肉薄する試合が展開できたことは良かったと思いますが、デュエル(球際の攻防)で圧倒されるシーンが目立ちました。トリプレッタの選手はボールを奪い合う際のボディコンタクト、体(肩や腕、腰)を相手選手にぶつけ、相手選手とボールの間に自分の体を入れてボールを奪う動きがとても上手でした。富ヶ谷もこの点はぜひ見習えるよう、練習に取り入れていきたいと思います。

最後は東部B戦です。この試合もセントラルC戦と同様にトウマを下げて攻撃的な布陣で臨みました。前半はアサヒにディフェンスラインに入ってもらいましたが、セントラル戦で何度かボールを持ちすぎてパスに繋げられなかったシーンやボールを奪われてしまったシーンがあったため、トリプA戦、東部B戦では、できるだけ3タッチ以内でボールを回して球離れを早くすることにトライしてもらったところ、元々キック精度の高いアサヒから2タッチ、3タッチでしっかりと仲間の足元や敵の裏のスペースにボールがフィードされることが増え、アサヒが起点となって攻撃のスイッチが入る場面が増えたことが印象的でした。全くプレッシャーのない場面ではもちろんドリブルでゴール前まで運びシュートを狙うべきですが、それなりのプレッシャーがある場面では無理せず、簡単に繋ぐことで優位に試合を展開していくことは、ぜひ他の選手にも意識してほしいと思います。

そのような効果もあり、前半は、富ヶ谷がやや押し気味で試合を進めるも同点で折り返しましたが、後半の序盤にはエイタがゴール前の混戦のこぼれ球を落ち着いて押し込み先制点を奪い、後半の終盤には、前線からプレッシャーをかけてボールを奪ったケイヒルがそのままシュートを叩き込み追加点をゲットしました。その後も危なげなく試合を運び、最終戦を勝利で飾りました。

全体を通しての反省点は、やはり得点力の部分だと思います。秋季リーグに向けてフィニッシュを意識した練習に取り組みたいと思います。また、パスサッカーはだんだんと板についてきましたが、ゴール前などボールを奪われたら危険な場所でのパスミスをしてしまう部分、球離れの遅さからフリーな選手を使いきれていない部分、サイド攻撃からのフィニッシュの精度、パスを受ける選手の動き方などまだまだ改善すべき点は山積しています。守備面では、攻撃的な布陣の際のカウンター対策に改善の余地があることは一旦横に置いて考えると、全体的には前衛からプレスをかけ、サイド攻撃にはサイドハーフが対応し、最終ラインではチャレンジアンドカバーで対応する守備は機能していますが、改めてビデオを見返すと、相手のサイド攻撃時の守備の際に、中で守る選手がボールウォッチャーになってしまい、中央で待ち構える相手選手に全く気づいていない場面がよく見られます。今のところサイドハーフがカバーできているため惨事には至っていませんが、これではサイドが突破されると簡単に失点を許してしまう可能性があります。攻守ともにサイド攻撃に慣れる練習をしていけたらと思います。

3年生になると8人制サッカーが始まりますが、フォーメーションや、ポジショニングはより複雑になり、戦術理解の重要性や、オフザボールの動き、オフサイドを取るため、取られないための動きなども加わってきます。フィールドも広がるため、キック力をあげてロングボールも蹴れるようになる必要もあります。2年生の後半に向けては、徐々に8人制に向けた練習も取り入れていきたいと思います。学年が上がるにつれて、強豪チームには区外からも上手な選手が加わり、試合経験の差などから段々とレベルの差は開いてきますが、富ヶ谷らしさを保ちつつ、できるだけここに食らいついて戦えるチームを作っていきたいと思います。みんなで頑張りましょう!