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【1年生】TMレポート

【1年生】TMレポート
【1年生】練習試合レポート(vs 北沢キッカーズ、三鷹ファイブ)

コーチの渡辺です。11月のUSTさんとのトレーニングマッチ(以下TM) に続き、12月17日(日)、北沢キッカーズさんにお招き頂き、北沢キッカーズさん、三鷹ファイブさんとのTMに参加させて頂きました。

この日は前日までの暖かさが嘘のように厳しい寒さを感じる一日でしたが、選手たちは寒さに負ける様子もなく、1本10分の試合を8〜9本、合計で大人の試合と変わらない90分近くの試合時間を最後まで元気一杯に走り抜けてくれました。

今回は参加人数の関係で、いつもの6人制ではなく、5人制のゲーム、また、会場の北沢中は人工芝ではなく、クレーコートでの試合であったため、普段とは異なる環境での試合となりましたが、選手たちもしっかり適応してプレーしてくれたと思います。

今回、5人制であったこともあり、富ヶ谷は実力分けの2チームに分けて参加しました。結果Aチームは6勝3分17得点3失点、Bチームは7敗1分け3得点20失点でした。北沢キッカーズさん、三鷹ファイブさん、富ヶ谷ともに、トップチームはレベルが拮抗しており、Aチームは実力を試す意味で、Bチームは胸を借りる意味で、それぞれ申し分のない対戦相手でした。結果詳細は次のとおりです。

【富ヶ谷A】
vs北沢A 6-0 得点:エイタ×5、コウノスケ×1
vs北沢B 0-0
vs富ヶ谷B 2-1 得点:ケイヒル×1、アサヒ×1
vs三鷹 1-1 得点:シュウ×1
vs北沢A 3-0 得点:エイタ×1、ケイヒル×2
vs北沢B 0-0
vs三鷹 2-0 得点:ケイヒル×1、エイタ×1
vs北沢A 2-1 得点:トウマ×1、コウノスケ×1
vs北沢B 1-0 得点:ケイヒル×1

【富ヶ谷B】
vs北沢B 0-3
vs三鷹 0-6
vs富ヶ谷A 1-2 得点:ヒロト×1
vs北沢A 0-1
vs北沢B 0-1
vs北沢A 1-3 得点:ナオヨシ×1
vs北沢A 0-3
vs北沢B 1-1 得点:エイタ×1

Aチームの方は、全体的に勝ち越し、上々出来ではありましまが、敢えて厳しいコメントをするなら、得点パターンは前線からのプレス、ボール奪取からのショートカウンターが中心で個人の推進力に頼る形が中心であったこと、守備面では、全体的にポジションが前がかかりになり過ぎて、組織的なディフェンスができずに、あわや失点というシーンが何度となく見られたことなどは反省点と言えると思います。トウマをはじめ何人かの献身的な守備で結果3失点に抑えることはできましたが、攻守ともに個人の力に頼ってしまうようでは、区民大会などの公式戦で上位のチームと伍していくのは難しいと思います。攻撃面でも守備面でも個人の力だけではなく、仲間と連携して相手を崩し、組織的に守れるチームになれるよう、意識しながら練習に取り組んでもらえたらと思います。(本当はとても嬉しい結果でしたが、皆さんの成長のためにコーチは敢えて厳しいコメントをしています。Aチームの選手全員が得点できたこともすばらしかったと思います。)

Bチームの方は、結果を見ると負け越しですが、それぞれゲームを重ねる毎に成長を重ね、どんどん動きは良くなっていきました。選手たちからも試合のたびに手応えを感じている様子が伺え、どんどん強くなっていく見ていてとても楽しいサッカーを展開してくれました。特に3試合目以降、攻撃面では、お団子にならずに広がってボールを回すこと、フィールドに体を開いてトラップすること、自陣では球離れを早くして前の選手に繋ぐこと、守備面では、積極的に前からプレッシャーをかけること、お団子にならずに首を振って、ゴール前のフリーの選手をマークすることなど、各ゲーム後の振り返りにみんなで話し合って確認した改善点をしっかりと実行して、富ヶ谷Aチームや、初戦で大敗した北沢のトップチームにも勝利に肉薄する素晴らしいゲームを演じてくれました。終盤は5名だけで回していた疲れが出たのか、北沢Aとの2連戦では失点を重ねてしまいましたが、積極的に攻める中で、ヒロトやナオヨシからゴールが生まれるなど、とても充実したTMとなったと思います。BチームとAチームの実力差は今は大きく感じるかも知れませんが富ヶ谷ダービーの結果を見れば紙一重である事がわかると思います。基礎的な技術力に加えて、初動の動き出しの判断スピードの速さが攻守で身についてくるとこの差を埋めて行くことができると思います。

今回、Aチームは金子コーチ、Bチームは守谷ーチにベンチワークをお願いしましたが、それぞれ以下の通りレビューを頂きました。

【Aチーム】(金子コーチレビュー)
今回の練習試合は5人制で実施されました。フィールドプレーヤーが4人と普段より少なかったことで、選手それぞれがボールに関わる機会が増え、個の強さが出やすかった一方、パスの選択肢も減っていることで選手にとっては普段よりパスが出しにくいと感じられる状況もあったかもしれません。そのような中、富ヶ谷Aの攻撃はオフェンスの選手が多いこともあって、前線からのハイプレスのショートカウンターが大半を占めるものでした。

富ヶ谷Aは今回の対戦相手に対し決して体格に恵まれていたわけではありませんでした。それでもそれぞれが球際で気持ちのこもったプレーをしていたことで、個の強さを感じられる場面が少なくありませんでした。これまでの試合だと、選手がドリブルを試みるも相手の足に引っかかって前進できないという場面をよく目の当たりにしてきましたが、今回の練習試合では引っかかっても次の一歩が速く、多少引っかかった程度では体勢を持ち直しそのまま前進していける選手が多かったように感じました。そしてそれがチャンスメイクの多さにつながっていたように感じました。こういった対人スキルは経験とともに身につく部分もあると思いますので、普段の練習や練習試合でどんどん伸ばしていってもらいたいと思います。

今回そういった個の強さが特に感じられたのが三鷹戦でした。三鷹さんは技術的にも体格的にも一枚上手のチームで、富ヶ谷Aが比較的早い時間に失点してからも攻め込まれる時間帯が続いていました。トウマを中心に全員守備で最少失点で守り切ると、試合終了間際にアサヒの正確なパスからシュウがサイドネットにシュートを決め土壇場で引き分けに持ち込むことができました。

今回Aチームは9戦で6勝3分けと見事な結果を残しましたが、選手ひとりひとりのこうした球際の一踏ん張りがこのような素晴らしい結果をもたらしてくれたことは言うまでもありません。10分マッチを9本こなしてまだまだやりたいと言っていた選手たちにお疲れさまと言ってあげたいです。

今回は球際の強さや頑張りに目が行くことが多かったですが、他にもよかった点がいくつかありました。
チームとして以前より確実にパスの意識が高まっていて、チャレンジしようとしている様子が何度もうかがえました。ただ、パスが少しズレてしまったりボールの置き位置が少し悪かったり体勢が少し崩れてたりとあと一歩のところで通らない場面が散見されました。前述の「ドリブルが引っかかってしまう」ことと同様、こうしたものもちょっとした成功経験とともにどんどん上達していくと思いますので、これからもどんどんチャレンジしてもらいたいと思います。
あとコーチが指示したわけでなく選手たちが自主的にゴール前のセットプレーでアドリブ的に様々なアイデアを出してくれたことはもはや一観客と化してワクワクするものでした。単純なコーナーキックでは上手くチャンスが作れないと判断するとショートコーナーに切り替えてシュートまで持ち込んだり、ゴールキーパーに出してダイレクトでシュートしたり、子どもたちの咄嗟のクリエイティブなアイデアに感服するばかりでした。選手たちも互いの特徴を理解しながらこのような形でコンビネーションを高めつつあり、将来がとても楽しみに感じました。
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【Bチーム】(守谷コーチレビュー)
序盤戦こそ緊張もあったのか、まだ動きにぎこちなさがあり、あれよあれよと言う間に失点されました。ただ、失点のされ方はシンプルでした。相手チームにパスでつながれ、ボールに視線を奪われた結果、ゴール前でフリーとなった相手選手にシュートを決められる、という場面がほとんどでした。ただ、そんな厳しい展開でも、選手たちは諦めませんでした。失点直後、自然と集まった選手たちは、どうすればよかったのかと互いにコミュニケーションを取っていました。さらに中盤戦になると、選手全員が互いに大きな声を掛け合い、フリーの相手選手が出ないよう必死にせめぎ合い、まさにチームで戦っていました。結果として、序盤戦で失点が相次いだ相手チームに対しても、僅差で抑えることができました。

転機は、第3戦の富ヶ谷Aとの試合でした。「俺、FWやりたい」。普段の練習の時から意欲を示していたナオヨシ。積極的に相手のボールを奪おうとトライします。体格差のある選手にも一生懸命向かっていく姿、感服しました。すると、ナオヨシが攻撃の起点になり、段々とボールが前に前に進んでいきました。そんな富ヶ谷Bの戦いに、富ヶ谷Aが苦戦しているように見えたのは私だけではないはずです。そして、ナオヨシのシュートのこぼれ球をヒロトがきっちり押し込みました。
得点できた影響もあったのでしょうか。その後の試合では、懸命にボールに向かう姿勢が目立つようになり、何度もチャンスがありました。ディフェンス面でも戻りが早くなり「マークだよ!」と選手が互いに気をつけ合ってゴールを守りました。

ヒロトは、コートを走り回る機動力の高さが際立っていました。ボールに食らいついていく気持ちの強さもあるのでしょう。ゴールキーパーとしての存在感も示しました。何度も打ち込まれてくるシュートを次々にキャッチし続けました。両手を上手に使い、キャッチした後も、すぐに周囲を見回し次のプレーを考えていましたね。

ソウジは戦術面での深い理解、サッカーの思考力が光っていました。試合の合間のコーチとのミーティングでも進んで発言し、チームの他のメンバーにたくさんの「気づき」を与えてくれました。技術面でも、ボールタッチやキックで、日頃の練習量を感じさせます。全体の位置関係のバランスをよく見て、空いているスペースに飛び込もうとするなど、視野の広さもありました。冷静さの中にも、アグレッシブに前に進む意識がありましたね。

シンタロウは、DFの場面で何度もピンチを救ってくれました。とにかく急いで自陣に戻ってくれ、切り替えのスピードも速かったです。実は、普段の練習からシンタロウはゲームの際に「ディフェンスがいないんだよね」と教えてくれたり、コートをよく見ていると感じさせます。今日もそれを遺憾無く発揮してくれました。ボールタッチも上達していて、細かなタッチでボールキープできている場面を何度も見ました。GKの時も、周りに「マーク」と声をかけてくれ、それに応えるように選手全員が懸命に手を広げながらゴールを守る姿には、チームとしての頼もしさを感じさせました。

チハヤは、負けたくないという気持ちの強さ、前面に出ていました。フィジカル面で強い当たりを受けてもボールを奪われまいとする姿勢が出ていました。要所要所でボールをクリアし失点を防ぐことに貢献していましたし、ナオヨシからゴールへ向かう縦パスがつながる理想的な展開もありましたね。

メンバー全員に光るものがあるのをあらためて感じました。互いに協力することで得られる強みを、選手たちが感じ取ってくれたら嬉しいです。試合を振り返り、少しでも選手たちが自分の成長を実感してもらえたらと思います。