ホーム > ニュース > 6年生を送る会

6年生を送る会

6年生を送る会
監督の内藤です。
3月20日(日)。今年もこの日がやってきました。

6年生を送る会、です。

今年は5人の6年生が、送られる選手としてこの会に参加しました。

下級生から信望の厚いドリブル巧者、キャプテンのケン。
男子もかなわない強いハートの持ち主、俊足副キャプテンのユリ。
一番長くこのクラブに在籍し続け、チームの守備を堅め続けたコウスケ。
思考力と勇気を武器に、中盤の存在感を高めながら最後までサッカーを続けたソウル。
自分流のサッカースタイルとショートソックスにこだわる独創性、子供と大人の垣根を超えて誰もが知るユニークさを持つユウキ。

毎年いろんな学年がありますが、この学年も非常に個性的でした。

今年の6年生を送る会は3部制。

最初の部は幼児が6年生を送る時間です。
6年生5名から幼児のみんな、そしてその保護者の皆様に立派に挨拶をしてくれました。
(ユウキはオチを考えようとして思いつかず2分ほど空白の放送事故がありましたが、辛抱強く静かに待ち続けた幼児のみんながすばらしかったです。)

第2部は1年から3年生が6年生を送る時間。
普段直接関わることの少ない両者が、サッカーボールを通して、一時の交流を楽しんでいました。6年生それぞれをキャプテンに、縦割り4チームによるトーナメント戦を行いました。コウスケは腕を骨折中のため、審判として各試合の揉め事対応に奔走してくれました。

このトーナメントでは、夏合宿で同じグループだったユリと3年のソウヤが、またも同じチームに。合宿では色々とあった二人でしたが、この日の試合では、ユリが自陣深くからロングボールを蹴り込み、それをソウヤが受けてシュートという、コンビネーションバッチリのシーンが何度もありました。二人にはサッカーボールがつないだ強い絆があるように感じ、感慨深かったです。

第2部のトーナメント決勝戦は、夏合宿以来の雪辱を果たしたかったユリ率いるリリー・ロイヤルズとキャプテン ケン率いるケンユナイテッドの一戦。これを制したケンユナイテッドが再び優勝を飾りました。

第3部は、普段から6年生との交流が深い、4年生と5年生が6年生を送る時間です。6年生それぞれが、目の前で寝転がっている下級生にボールをあてないように3本ずつ蹴り込むフリーキック勝負が盛り上がりました。浮き球をけれれば下級生にはボールは当たらないシンプルなゲームです。ゴールの本数こそ差は出ましたが、誰一人下級生にボールをぶつけることはありませんでした。6年生のかっこいいところを後輩たちに見てもらえたのではないでしょうか。
ちなみに、6年メンバーの何人かは4年生くらいまで、置いてあるボールから浮き球を蹴ることができなかっただけに、皆の成長を深く感じたひとシーンでした。

第3部でも、4人の6年生をキャプテンに、縦割りトーナメントを開催。
諦めない強いハートと豊かなインテリジェンスを感じさせるソウル率いる、ソウルユナイテッドが最終優勝を決めました。

各試合中、4年のユウキが、審判のコウスケに「おい審判、いまの!」と抗議と言うかじゃれつくシーンがたくさんありました。コウスケも負けじと「おい、おまえ。おい、カード出すぞ!」とじゃれつき返し、あまりに繰り返されるそのシーンに、コーチ陣の皆もコントを見ているようで笑いが絶えませんでした。こういう、学年を超えた楽しい関係性は、いつまでも見ていたいものです。

試合中のピッチ外、学生コーチのコータコーチとコウスケの会話も面白かったです。
コータコーチに上中のことをたくさん質問するコウスケ。
コータコーチは上中の情報をひとしきり教えてくれたあと、
「人に迷惑をかけない、そんな中学生になるんだぞ。」
とありがたい訓示。それに対してコウスケは
「でも・・・、思春期だからなぁ。」
とかなり個性的な回答。たまらず吹き出しながら、コータコーチがツッコミます。
「おい、何でも思春期って言ったら許されると思うなよー」
まわりで聞いていたコーチたちは悶絶していました。

トーナメント決勝戦のあと、6年生4名と、指名された4-5年生が、コーチたちとの最後の試合に臨みました。早々に1-0とリードされた6年生達でしたが、試合終盤、主審のコウスケがペナルティエリアでの岩崎コーチのプレーにファールを取りました。実際ファールのプレーではなかったですが、6年生審判コウスケのナイスな演出で、ペナルティキックを手に入れた6年生は、コーチとの試合をドローで終えることができました。
岩崎コーチが終盤ペナルティエリアでファールを取られる、というは毎年の伝統になりそうだぞ、とコーチたちも盛り上がっていました。

さて、そんな楽しい試合のあとは家庭科室に移動し、保護者の皆さんが作成した、6年生の思い出ムービーを鑑賞。保護者のみなさんの涙あり、子どもたちの爆笑ありのすてきな時間になりました。

そして、6年生を送る会といえば、キャプテンの任命式。
新しいキャプテンには、新6年生のタツキが選ばれました。副キャプテンに選ばれたのは同じく新6年生のシュウタ、そして新5年生のケイです。
現在のキャプテン、ケンがタツキにキャプテンマークを巻きます。・・・が、タツキのたくましい上腕に、ジュニア用のキャプテンマークを巻くことができず、戸惑うケンに爆笑する子どもたち。結局タツキは、「このほうがいいよ」と、キャプテンマークを手首に巻いて、リストバンドのようにしちゃってました。

6年生から、最後のあいさつ。
ケンはさすがキャプテン、とても立派なメッセージを、後輩たちに贈ってくれました。

最後、内藤から6年生の皆に、部活などで使えるデイバッグをプレゼントしました。3色の中でネイビーに人気が集まり、ユリとコウスケとソウルのじゃんけんに。ユリは、「お願いお願い、絶対この色がいいから、譲ってよ、お願い」と二人に懇願します。するとソウルが「いいよ、ユリに譲るよ」とスマートな優しさを見せます。
ユリは嬉しそうに、「ソウル、本当にありがとうね!」と一言。
ここで終わりにすれば感動的な一幕なのに、横からユウキが
「ソウル、そんなんじゃこれからの競争社会に生き残っていけないな」と余計な一言。会場がまたも爆笑に包まれました。

最後は、各コーチたちからお祝いのメッセージ。一歩大人の階段を上る6年生達に向けた、すてきなメッセージばかりでした。

こうして、またひとつ、6年生を送る会が幕を閉じました。

今の富ヶ谷サッカークラブは、100人をゆうに超える大所帯になっています。でもその内実は、5年生以下の在籍数の多さによるものです。この6年生の代は、コウスケを含め二人しかいない時期が長く、増えては減ってを繰り返しながら、いつも数人しかいない、という状態のままここまで来ました。でも、そのことでかえって、(大会出場に助っ人として参加してもらうため)5年生たちとの絆が深まり、この会のように、笑いの多い、温かい学年だったな、と思い返しています。

中学でサッカーを続ける子は今回の卒団生の中にいないかもしれません。
でも、何か問題があるでしょうか。

彼らはこのクラブで、サッカーを通してたくさんの成長を見せてくれました。
まっすぐさ、しなやかさ、たくましさ、思いやり、ユーモア、ポジティブな姿勢。
全員が異なる個性を持ち合いながら、それでもどこかで強くつながっていて、互いに影響し合い、多くのものを共有して高めあってきた。そんな選手たちでした。

サッカークラブを通して手に入れた本当にたくさんのもの。それは、あのメンバー、この場所でしか手に入らなかったものの気がしてなりません。

この経験と思い出を胸に、個性あふれる明るい未来へ飛び立っていくみんなを、いつまでも変わらないこのクラブで、これからも応援しています。

君たちの楽しくて、かけがえのない時間を共有してくれたこと、心から感謝しています。
卒団、おめでとう!