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【2年生】練習試合レポート (vs テキサスイレブン)

【2年生】練習試合レポート (vs テキサスイレブン)

コーチの渡辺です。

春季大会予選リーグの翌日、絶好のサッカー日和となった4月14日(日)、テキサスイレブンさんとの練習試合(以下TM)を行いました。

春季大会は予選リーグから決勝リーグまで2週間しかありませんが、この短い期間でも、予選の反省を踏まえて色々な課題にチャレンジしていくためにも、今回のTMはとても良い機会となりました。

結果として、Aチームは4戦全勝、Bチームは1分け3敗でしたが、失点差を抑えながら得点も奪うなど、それぞれ手応えのあるTMとなりました。

第1試合 Aチーム 1-0
 得点者:ケイヒル×1
第2試合 Bチーム 0-1
第3試合 Aチーム 1-0
 得点者:シュウ×1
第4試合 Bチーム 0-0
第5試合 Aチーム 1-0
 得点者:アサヒ×1
第6試合 Bチーム 0-3
第7試合 Aチーム 2-0
 得点者:エイタ×2
第8試合 Bチーム 1-3
 得点者:ゲン×1

Aチーム、Bチームについてそれぞれレビューしたいと思います。

【Aチーム】
Aチームの目下の課題は得点力だと思います。これまで取り組んできたパスをつなぐサッカーは形になってきたものの、パスをつないだ後どのようにゴールまでつなげるかという部分で共通認識がなく、得点は個人の自由なプレーに頼っている状況でした。そのため、個人の得点パターンが封じられた場合に攻め手に欠き、なかなか得点できない状況に追い込まれてしまいます。

例えば、守りを固めたチームに対してチームとしてどう崩していくか、強いチームから攻められ続ける中でどのように得点までの道筋をつけるか、個人の自由なプレーも尊重しつつ、チームとしての得点パターンの種類を今後増やしていく必要があると思います。

得点力については、これまでのパスが回らない状況では、そもそも得点パターンを考えるどころではなかったこともあり、これまでこの得点力の課題に対する準備をしてこなかったため、今回のTMでは、「まずは得点を取るためにシュートをもっと打っていこう」をテーマに試合に臨んでもらいました。

結果として、4試合ともに無失点で抑えつつ、毎試合得点することができました。

初戦ではゴールキックのこぼれ球をケイヒルがとらえ、得意のスピードでそのまま持ち込み、相手ゴールキーパーの位置を確認して、ゴールキーパーの手の届かない位置にゴールを流し込みました。

圧巻だったのは、第2戦目のゴールで、トウマがボール奪取してからエイタにつなぎエイタが左サイドのケイヒルにつなぎ、ケイヒルから相手ディフェンスラインの裏に飛び出したシュウにつなぎ、シュウがが落ち着いてゴールを決めてくれました。

このゴールは、シュウのゴールも含めて、2タッチ以内で展開され、相手ディフェンスが守備を整える間もなくゴールまでたどり着く素晴らしいゴールでした。

タッチ数を制限することで速い展開でゴールまで迫るというのは、得点力不足を打開するための答えの一つだと思いますが、これを選手たちだけでやってのけたのは大変すばらしいことだと思います。普段のミニゲームでも2タッチ以内でのゲームを毎回取り入れていますが、この成果が出た場面とも言えると思います。

第3戦のゴールは、ゴールキックのこぼれ球をアサヒがダイレクトボレーでキーパーの頭上を越えてゴールに突き刺すという、アサヒのテクニックの詰まったゴールでした。

初戦のケイヒルのゴールと同様、シュートを打つ前に顔を上げてゴールとキーパーの位置をしっかり確認してからのゴールでしたが、これは、トリプレッタや千駄ヶ谷などの強豪は必ず意識しているものだと思います。

千駄ヶ谷との試合中、相手ベンチから「ゴールキーパーの位置を確認してシュートを狙っているのか?!」というコーチングの声が聞こえてきますが、富ヶ谷でも得点力アップに向けて、ゴールキーパーの位置を確認したうえでコースを狙うシュートは今後課題として取り組んでいきたいと思います。

第4戦は、2点ともエイタの得点でしたが、1点目はゴール前の相手のハンドからのフリーキック、2点目は高い位置で相手からボールを奪い、詰めてきた相手ゴールキーパーを強引にかわし、交錯して倒れる間際に足を延ばして放ったシュートが相手ゴールに吸い込まれる形でのゴールでした。

フリーキックは前回大会でもトリプレッタからの得点がありましたが、フリーキックは得点の大きなチャンスとなるので、エイタに限らずフリーキックでしっかり浮き球の強いシュートを打てるように今後チーム全体でも取り組んでいきたいと思います。

また、2点目のゴールで見られた高い位置でボールを奪い得点を狙っていく戦術を現代サッカーでは「ハイプレス」と呼びリバプールなどの強豪チームが取り入れていますが、より組織的に前線からプレスをかけて早いタイミングでカウンターを狙っていくことは、得点の有効な手段となるので、組織的な前線からのプレッシングも今後取り組んでいけたらと思います。

守備面では前線からのプレッシャーとチャレンジ&カバーの徹底で、しっかり守れていたため、ゴールキーパーのカイの出番は少なかったですが、それでも何度かシュートを打たれた際にはしっかりとセーブし、ゴールキックやパントキックもしっかりとフィードして、危うげなくボールを展開してくれました。ただ、決勝リーグでは相手チームも、より厳しくゴールキック、パントキックのミスを狙ってくるので、キック技術の向上には引き続き励んでほしいと思います。

今回Aチームでは普段フォワードやサイドハーフで出場しているアサヒにディフェンスに入ってもらうことを試しましたが、足元の技術の高さからビルドアップの起点となったり、しっかりとしたポジショニングで相手に前を向かせないディフェンスを見せてくれました。同じくパスの上手な、コウノスケにも今後ディフェンスラインでのビルドアップに挑戦してほしいと思っています。

3年生からは8人制サッカーが始まりますが、現代サッカーではオフェンスの選手もディフェンスの選手も、全員が攻撃、守備に絡んでいくことが求められています。3年生での戦いに向けて、今のうちから様々なポジションを試して、守備も攻撃もどちらにも対応できるユーティリティの高い選手たちを育てていけたらと思います。


【Bチーム】
つづいて、Bチームのレビューに移ります。

Bチームは結果を見れば0-1、0-0、0-3、1-3と負け越していますが、内容をよく見ていくと、第3戦、第4戦での失点の多くはゴールキックを狙われての失点がほとんどで、それを除くとよく守れていた方ではないかと思います。

なお、ゴールキックでの失点はゴールキーパーだけの責任ではなく、まずはディフェンダー2名がサイドに開いてパスコースを作り、簡単につないでいくことを基本として、そこが相手から狙われると、逆に中央にパスコースが生まれるので、そのパスコースを狙っていく、という風に、まずは自らパスコースを作り、相手のポジショニングに合わせて相手ゴールに近い位置にパスをつないでいくことが定石です。

これは、普段の練習で取り組んでいる3対1のロンドで、ボールホルダーの左右の選手が開いてもらうこと、4対2のロンドで左右に開いた後に、相手がそこを狙って左右に開いた際には、その間にできたゲートを狙うこと、という練習の狙いにに通じるものですが、Bチームではまだこのディフェンダーが左右に開く動きが徹底できていないためボールの出しどころがなくなってしまっているのが、ゴールキックを奪われてしまう一つの大きな原因になっています。

また、キック力の強さ、判断の早さもゴールキックがつながらない原因の一つかと思います。せっかくゲートの間を狙ってもキックが弱ければ途中で相手にボールが奪われてしまいますし、判断が遅ければ、せっかく左右に仲間が開いていても、相手にパスコースを読まれてボールが奪われやすくなってしまいます。

ぜひ、ボールをたくさん蹴ってシュート力をつけること、リスタートの際には早く判断することで、パスがつながりやすくなることを意識してほしいと思います。

また、Bチームでは、せっかくゴールキックが次の選手に繋がっても、そこですぐにボールを奪われてしまい、その先にパスつながらないというシーンが良く見られますが、これにはトラップ技術の向上が必要です。

チャレンジドリルや春の宿題ドリルではコントロールオリエンタードの練習方法を紹介していますが、パスを出す相手から遠い方の足でトラップすることで、相手ゴールの方に向かって前を向いてトラップすることができるようになり、次のプレーにつなげやすくなります。

パスを受けるときには、トラップから続いてすぐに蹴りやすい位置にボールを止められるように、やさしくボールの勢いを殺すようにトラップすることも重要です。

また、せっかく上手にトラップできても次にどこに蹴って良いのかわからずやみくもにボールを蹴ってしまうと相手にボールを奪われてしまうので、ボールをもらう前にしっかり顔を上げて首を振って、仲間の位置、敵の位置を確認しておくことが大事です。

首を振りながらのトラップ練習は最近練習でも取り入れるようにしていますが、ぜひ練習以外の時間でも自主練や友達とサッカーをして遊ぶ時等に意識して取り組んでもらえたらよいと思います。

そういった意味ではBチームには、トラップとキック、ポジショニングの基本的な部分での技術の向上が求められていると思いますが、公式戦が終わった5月以降から、選手のレベルに合わせて練習グループと練習メニューを変えることも検討しています。基礎技術を身に着けたうえで徐々に練習内容もレベルアップしていけたらと思います。

改善点を中心にお話ししましたが、それぞれ成長が見られる部分もたくさんありました。

ソウジはここ数か月で気持ちが見違えるように強くなり、気迫でチームを引っ張るリーダーシップも発揮してくれるようになりました。シュート力も強いので、パスをもらう前にしっかり首を振れるようになるともっと落ち着いて次にパスをつなげられるようになると思います。

ナオヨシはもともと足元の技術が高いですが、最近ではドリブルで相手陣地の奥深くまでボールを運べるようにもなってきました。ディフェンスも基本に忠実に、相手とボールの間に体を入れて奪おうとする姿勢や、相手に抜かれても最後までボールを追いかける姿勢も素晴らしいと思います。ただし、ドリブルだけに頼らず、パスの判断を速くすることもぜひ心掛けてほしいと思います。

シュウヘイは怪我のブランクが心配でしたが、前向きに練習に取り組んでくれていてとても頼もしいです。トラップとキックの精度を高め、ボールウォッチャーにならずに、フィールド全体を見ながらポジショニングできるようになると大きな戦力になってくれるのではないかと思います。

ワクはサッカーIQがとても高く、攻守でポジショニングがとても良いです。ディフェンスもドリブルも上手ですが、キックとトラップには改善の余地があります。キックとトラップの精度が上がると見える世界が変わってくるのでぜひ練習に励んでほしいと思います。

シンタロウはここ数か月で大きく成長した選手の一人だと思います。特に相手にぶつかりに行くことを恐れない勇気が出てきて、球際を恐れずにボールに近づくことができるようになってきたと思います。また、キック力も以前よりもついてきて、今回のTMでも何度かボールを前に蹴りだすクリアを見せてくれました。とはいえ、トラップやキックの精度はまだまだ改善の余地があるので、ぜひ練習に励んでほしいと思います。

ゲンは特に今回の得点シーンは素晴らしかったです。パスを受けてからのドリブルは上体が安定し、顔を上げながらワンタッチで相手を軽々とかわし、そのままドリブルをしながらしっかりボールにミートしてシュートできていました。シュートコースも素晴らしかったです。性格的な優しさから球際で強く相手に当たれない部分もありましたが、今日の試合では体を張ったプレーも何度か見られました。気持ちの強さがついてくるともっとサッカーが楽しくなるのではないかと思います。

来週は日曜日に北沢キッカーズさん、USTさんとのTMがありますが、予選や今回のTMで新たに出てきた課題に挑戦して調整し、27日の決勝リーグに向けてレベルアップしていきたいと思います。一緒に頑張りましょう!