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【3年生B】春季区民大会予選 総括

【3年生B】春季区民大会予選 総括
コーチの内藤です。
いよいよゴールデンウィークが始まりました。その初日である4月29日に3年生の春季区民大会の予選が行われました。内藤が帯同したBチームについて総括をさせていただきます。

昨年度までの大会とは異なり、3年生となった今年度からは試合のフィールドのサイズが倍になります。レギュレーションも、”6人制オフサイドなし”から”8人制オフサイドあり”に変更です。

全員がボールに集まってしまうお団子サッカースタイルのまま、この大きな変化を迎えてしまうと、試合ではかなり厳しい結果を突きつけられることになります。なので、この数ヶ月の指導のめあてとしては、その変化に対応するためフィールドを広く使用したパスサッカーの習得を掲げていました。

ただ、Bチームについてはまだまだその途上にあるまま本大会を迎えることになりました。

前回の秋季区民大会で無得点に終わっていたので、その貴重なゴールを取ることを目標に掲げたいところでしたが、3年生として、サッカーをより高度に理解し、実行できるようになってもらいたく、今大会の目安は別のものを設定しました。

それは、「ポジションとフォーメーションを意識して、自分の役割をもつこと」です。

これまでは、ゴールキーパー以外は、「攻め」と「守り」くらいのざっくりとした役割分け方しかしてませんでした。今回は、よりリアルなポジションとフォーメーションを体験してもらいました。

フォーメーションの形は、3-2-2。守備と攻撃の初手を担当するディフェンダーは、中央(CB)、右(RSB)、左(LSB)の3人。攻守に走り回る中盤のミッドフィルダーは2人(RMF, LMF)。攻撃の仕上げとしてゴールを狙うフォワード(CF)は2人。

明確な役割をそれぞれに与え、ゲームに挑んでもらいました。そのようにサッカーを体験することが、サッカーの理解をすすめる上で効果的だからです。

■1試合目 vs 本町B 負け(0-4)

ゴールキーパーはシン。
ディフェンダーは右からムネヒサ、フミヒト、アラタ。
ミッドフィールダーは右からユウヤ、カンタ。
フォワードはケイシとレンタロウ。
この日の3試合の中で、一番サッカーらしい試合になっていたと思います。ケイシとレンタロウは自分たちの攻撃開始に備え、ハーフライン付近で待ち伏せ。フミヒトは守備の中心として左右のムネヒサとアラタをしっかりと動かしていました。この試合では、レンタロウが飛躍的な成長を遂げたように感じます。具体的には、オフザボール(ボールを持っていないとき)、とくにケイシがボールを持ったときの動きです。これまでのレンタロウや、他のBチームの選手は、ボールを持ったケイシ(というかその足元のボール)に特に考えなしに近づいてしまいますが、このゲームの中でレンタロウの動きはどんどん違うものになっていきました。ケイシがパスを出せそうな場所に先回りして動いていったのです。残念ながらシュートのチャンスは訪れませんでしたが、いわゆる「引き出す動き」が自発的に始まったことはとても期待できることです。

■2試合目 vs セントラルC 負け(0-5)

ゴールキーパーはケイシ。
ディフェンスは右からムネヒサ、シン、アラタ。
中盤にグェン、カンタ。後半はカンタに代えてユウヤ。
フォワードはレンタロウとフミヒト。
ムネヒサが相手選手の前に体を入れる素晴らしい守備を見せた他、レンタロウとフミヒトがしっかり我慢して前線でポジションを維持するなど、よいところもありました。
しかし、全体的に1対1の弱さが目立ち、基本的に攻撃を受け続ける展開になりました。また、自陣で取り返したボールやスローインを、特に理由なく中に入れてしまい、そこから失点するパターンも目立ち、これはからくりの理解が必要だと感じました。
選手自身が理解していないことを、理解してなくてもいいから勝つために言われたとおり実施しろ!・・・という育成は避けたいので、まずは理解が進むよう働きかけていこうと思いました。

■3試合名 vs セントラルA 負け(0-11)

待てども待てどもパスが来ないフォワード。そこに二人を置くよりも、パスを送れる選手を増やそう、と説明し、フォーメーションを3-2-2から3-3-1に切り替えることをみなに説明しました。そういうことでサッカーの展開が変わるということを知ってもらいたいという期待を込めて。
ゴールキーパーはレンタロウ。
ディフェンスは右から、ケイシ、ムネヒサ、シン。
中盤に、ユウヤ、カンタ、グェン。
フォワードはワントップとしてアラタ。

しかし、敗戦続きで迎えた3戦目は、体力面というより、メンタル面での疲れがあったようで、終始集中力の低いゲーム展開になりました。1試合目で意識できていたフォーメーションとポジションに関してはガタガタに崩れていたように思います。
アラタは前線にとどまることを忘れ、中盤やディフェンスエリアに飲み込まれていきました。ケイシは守備を離れ好きなところに動き回ります。後半、カンタとムネヒサ、ユウヤとケイシの前後の位置を変える調整をしました。それも、どういう意味があるのか、というのを感じてもらいたいな、と思いつつ最後の15分に送り出しました。


■まとめ:1日を通して
とまぁ、ここまで書いている内容を見ると散々な一日だったかのように見えますが、内藤としては非常に満足感のある一日でした。それは主に、2つの理由です。

理由(1):「サッカーのゲームとしてのからくりに触れてもらえた」
それぞれにポジションという役割があることで、お互いの動きがどうであったか、それぞれに意見をぶつけていました。失点ごとに、なにやらディベートらしきこともしていました。サッカーというものが、パワーやスピードという個人の身体能力や精神的な気持ちだけで作られているのではなく、もっと、チームとしての戦術が大切なのだと感じてもらえたように思います。

理由(2):「負けて悔しい、という選手が出てきた」
サッカーは楽しいものです。勝敗の結果によらず。それはたとえば、鬼ごっこや缶蹴りが楽しいのと一緒です。勝ち負けとは別のところで、楽しい時間を過ごした、そう感じられる素晴らしいスポーツです。でも、負けることが悔しい、次は絶対に勝つ。そう思うことは、上達のためにはとても大切な要素です。これは、指導者や保護者による「こんなに散々に負けて悔しいと思わないのか?情けないと思わないのか?」などという叱咤で芽生えるものではありません。仮にそうして勝利への気持ちを無理やり埋め込んだりすれば、「あと伸びしない子」の完成だと思うのです。今回のように、おのずからそういう気持ちが芽生えたのであれば、それは大きく成長するチャンスだと思います。ぜひともその悔しさを忘れず、これからの練習の肥やしにしてほしいと思います。