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【大会総括】3年生春期区民大会予選(Aチーム)

【大会総括】3年生春期区民大会予選(Aチーム)
コーチの岩崎です。

10/24(土)に3年生にとって今年度初めてとなる区大会の予選リーグがありました。新型コロナウイルスの影響で春季大会が延期となったので、チームとしては約1年ぶりの公式戦。久しぶりの試合に対する選手達の気合い・意気込みは相当なものでした。とにかく勝ちたい気持ちが先行してしまう心理状態の中で、貴重な実践機会をしっかりと選手達の成長に繋げるべく、試合前に選手達には明確に課題を与えることが大事だと考えましたので、各選手の課題が明確になるよう、Aチーム「個の能力に長けた選手」、Bチーム「パスワークの意識が高い選手」といった基準でチームを分けました。
 
 ひとまず指揮を執ったAチームの総括です。結果は1勝2敗のリーグ3位(4チーム中)でした。ダントツの1位通過したトリプレッタCチーム以外が1勝2敗でならび、2位渋谷東部Bチームとの得失点差3での僅差の3位でした。各試合の講評になります。

1試合目: vs富ヶ谷B ​結果:3-1(勝ち)
・得点者:なおふみ(アシスト:かろ)、けい2得点(内1点アシスト:かろ)
・評価選手:かろ
 
 Aチームに対しては、「仲間を信頼してパスを出す」を課題として選手達に伝えました。その中で一番課題を意識し、試合を通して頑張れたのがかろでした。
 富ヶ谷対決となった1試合目でしたが、Aチームは序盤Bチームにボールを支配され苦しい展開が続きましたが、井上ゆうきと元永りくを中心とした鉄壁のDF陣がゴール前のボールをはじき返し、中盤のかろがそれ拾い、シンプルに前線のなおふみ、けいに繋ぐという戦術を繰り返しました。何度FWにパスを供給してもことごとくDFにはねのけられていたので、チーム随一のドリブル力のあるかろなら、本来であれば自分の個人技で突破したくなるだろうところを、課題を意識し前線にボールを供給し続けてくれました。自分が供給したパスをFWのなおふみ、けいがしっかりと得点に繋げてくれて、結果的にAチームの勝利に貢献したこともあり、試合後にナイスアシストとかろに声かけしたところ、本人は非常に満足そうな顔をしていたので、大きな収穫があったものとコーチとしても嬉しく思いました。


2試合目: vs 渋谷東部B  ​結果:0-3(負け)
・評価選手:りく
 
 試合前まで相手の実力が未知ではありましたが、試合が始まると実力はほぼ互角なように感じました。ただ、前半は0vs0のスコアレスドローで折り返したものの、富ヶ谷SCは前半ほとんど得点のチャンスを作れなかったので、後半のメンバーチェンジで少し攻撃的な布陣に変えたところ立て続けに3失点を喫してしまいました。采配によって攻撃に意識が向きすぎてしまったところは否めませんが、それ以上に選手たちの疲労が出始めたことで集中力が切れたことが要因と考えています。Aチームの選手だけではないと思いますが、初戦の富ヶ谷対決で勝ちたいという意識が、必要以上に選手たちを走らせ過ぎていたことで、想定よりも早く選手たちの足が止まり始めました。そんな中で元永りくはDFとして途中足がつりながらも相手の攻撃の芽をいち早く摘み、守備の要として奮闘していた姿には頼もしさを感じました。


3試合目: vs トリプレッタC​結果:0-7(負け)
・評価選手:井上ゆうき

予選をダントツ1位で通過したチームが相手と言うことで、この試合についてはあまり多くの収穫があったとは思えませんが、この日ラストの試合で体力の限界が来ながらも最後まで諦めずに死力を尽くして奮闘したのが井上ゆうきでした。トリプレッタCチーム相手に前半2失点で折り返したのは彼のおかげと言っても過言ではないかと思いますが、さすがに最後は全体的に体力切れで足が止まったこともあり立て続けに5失点を喫してしまいました。後半途中に、体力の限界が来たので井上ゆうき本人から交代を申し入れてきましたが、それを受け入れずにもっと頑張れるとフィールドに返したコーチの鬼対応からも分かるように、予選3試合を通じて彼のDFリーダーとしての活躍は素晴らしく、この調子で決勝リーグでも頑張ってくれるものと期待しています。


Aチームの課題は、前述のとおり「仲間を信頼してパスを出す」なのですが、その中でも大事なのは「パスを出す」ことよりも「仲間を信頼する」ことです。Aチームは個人の能力に長けた選手を中心に据えましたし、個々の能力の高さも認めていますので、自分の能力を信じてプレー欲しいと思っています。しかし、能力の過信は仲間を信頼できなくなることにもつながり、自ずとパスの優先度が落ち、チームワークが発揮しづらい状況になる、と言った関係性があると考えています。
仲間を信頼するためには、「仲間の能力を認め合うこと」が必要です。同じリーグに富ヶ谷の2チームが居ることが分かった時点で、曖昧なコーチ基準でのレベル分けチーム編成とすると、「仲間の能力を認める」と言った機会が作りづらいと思いましたので、今回のA、Bチームの編成としました。
Aチームの選手たちには、パスを出せるBチームの選手と対戦することで、その能力を認めてもらうことを狙っていましたし、一方でBチームの選手たちには、Aチームと対戦することで個人の能力で突破することの重要性も理解してもらいたいと思っていましたので、予選での直接対決でそれなりに収穫が得られたものと考えています。

翌日の練習に来たメンバーには、直接対決での相手の良さをメインに、予選を通して良かった点、改善点などを1人1つずつ挙げてもらいました。これは初の試みでしたが、試合の振り返りを自分で考えて発言することで、仲間の能力を認める、自分で課題を認識することに繋がると実感しましたので、決勝リーグ後も同様に実施したいと思います。是非ご家庭でも、どこの何が良かったのか?どうしてそう思ったのか?など、試合後に詳しく具体的に試合の振り返りを聞いてあげていただければと思います。

選手たちには日常練習からパスの重要性を説いていますが、それは同時に個人技を否定するものではないことを、しっかり理解してもらうよう明確に選手たちには伝える必要があると思いましたので、これはコーチの課題1つ目とします。
また、私は選手たちには、パスも個人技も出来るのはもちろんで、その時点で自分が何をどんなプレーをするのが良いのかを考えて判断して実行できるようになることを期待しています。そのためにはチーム内で仲間を認め合う文化・意識の醸成がもっと必要だと考えていますので、日常練習では仲間を認めるためのコーチングを更に意識していけるよう、こちらもコーチの課題2つ目とします。

そして最後に説教じみた話になりますが、選手たちにも伝えた内容になりますので共有いたします。
今回ダントツ1位のトリプレッタCの選手たちと、富ヶ谷SCの選手たちの決定的な差は「サッカーに取り組む姿勢」です。トリプレッタCの選手たちの、試合後のコーチの話を聞く時の集合の速さ、話を聞く姿勢については、富ヶ谷SC3年生のそれとは圧倒的な差がありました。個別に公園でサッカー練習に取り組む選手が居ることも知っていますし、選手たちが皆サッカーを上達したい気持ちがあることも認識しています。ただ、教えを乞う者の謙虚さ、スキル・技術習得への貪欲さについては、同学年ですがトリプレッタCチームの選手とは差があるのは確かです。もしかするとトリプレッタのコーチが物凄く怖いのかもしれませんし、私がもっと厳しくすれば同じ対応が出来るのかもしれませんが、それをやるとサッカーの練習が楽しくなくなると思いますのでやりません。
同じクラブの中で全員のサッカーに対する意識が同じ水準で高い必要はないですが、意識が高い選手はそれをしっかりと練習でも発揮して貪欲に練習に取り組んで欲しいですし、そこまで意識が高くない選手においては、意識高く練習したい選手の妨げにならないよう、最低限ふざけない、だらだらしないといったことを心掛けて欲しいと思っています。これも仲間を認めることの一環だと思いますが、4年生から選考が始まるトレセンでは、サッカーに取り組む姿勢も重要な評価指標となりますので、練習の妨げとなるような行動が散見される選手には、練習を見学させるなどの対応をこれまで以上に厳しく取っていきたいと考えていますので、保護者の皆様におかれましてはご了承いただけるようお願いいたします。

とにもかくにも次は11月14日の決勝リーグになります。予選の課題は継続しつつ、来年度に向けてしっかりと冬の期間に成長するための収穫多き試合になるよう、チーム一丸となって最後まで頑張りたいと思います!