【3年生】春季区民大会 順位決定リーグ(2)
監督の内藤です。
7月に開催されるも、激しい雷雨で中断されてしまった3年生の春季渋谷区民大会の順位決定リーグが、9月28日の土曜日に再開されました。春季大会が秋の季節にずれ込んだのは、熱中症対策のために日本サッカー協会から原則として8月の大会開催を見送るように通達があったことも関係していますが、そのおかげもあって3年生の選手たちは合宿を経験してから試合に望むことができました。
以下、試合ごとの総括です。
■第1試合 vs トリプレッタC
負け 1-3
相手は、今年の春までの間に富ヶ谷SCから移籍していった3名の選手(アキヨシ、ハルフミ、ユウ)がいるトリプレッタC。
どんな試合になるだろうかとワクワクしてみていましたが、前半は富ヶ谷SCが相手を押し込む展開。とはいえ相手もさすがで、こちらの攻撃を何度も受けながら、その都度しっかり守って跳ね返しカウンターを組み立てます。このカウンターに対して、守備の選手であるシンノスケ、コウノスケ、ミドリがしっかりと走ってボールを奪い返し、再び次の攻撃につなげます。ディフェンスラインを高くたもっていたことが有利に働き、ハーフのヒロト(2年)やさらに前線のシュウやエイタにボールがつながることが多く、攻撃の時間が長くなりました。特に、相手のゴール付近からのクリアボールを相手陣内につめていたミドリがヘディングではね返したときは、とてもびっくりしました。たまに攻め込まれたときにも、ゴールキック(サエ)→サイドバック(シンノスケ)→ハーフ(2年ヒロト)という、安全なサイドから脱出し、縦方向に攻撃を組み立てるという、春からずっと練習してきた形がしっかりと実行され、危なげなくピンチを脱出します。特にシンノスケ、左から来たボールを右足でトラップする(次にパスする方向に向きながらトラップする)という基礎練習で取り組んでいたことがしっかりと習慣になっており、すばらしかったです。
相手陣内で進む前半、相手守備の崩れをついて、ついにシュウが先制点を決めます。会場は大盛りあがりでしたね。前半を1-0で折り返しました。
ただ、よく言われることですが、互角、あるいは少し格上の相手に前半を1-0で勝ち越して折り返すというのは、ゲームを難しくすることがあります。3-0くらいまで差がついていれば別ですが、1点差で迎える後半は、かえってこちらの油断を生み、相手の対応に対して対応できなくなるケースが多いからです。
実際、ハーフタイムの選手たちは「相手、弱いな」「後半はもっと点を取る」という感じで、完全に油断していました。会場にいた保護者のみなさんも、「このままいけば勝てるんじゃないかしら?」と興奮されていたかもしれません。
しかし後半は、ポゼッション(ボール支配率)を奪い返され、富ヶ谷の陣内での守りの時間が増えました。
こちらのメンバー交代は、勝利にこだわったメンバー交代ではなく、なるべく全員がたくさん試合に出れるように、という意図の交代でしたから、メンバー交代の影響がなかったとは言えません。でも、原因はそことは別にあったと考えます。
一つは、トリプレッタ側がハーフタイムで対策を打ってきたこと。これは推測ですが、少し機能していなかったディフェンスの連携を調整したように思います。そのため、こちらの攻撃の終わり(相手にボールを奪われたタイミング)がことごとく相手の攻撃の始まりになっていました。さらに、富ヶ谷側の気持ちの変化、でしょうか。1点を守りきりたいという気持ちが焦りになったのか、相手の攻撃の終わり(つまり、こちらがボールを奪ったタイミング)で行う富ヶ谷の選手のアクションに変化がありました。前半は、安全なサイドから縦につなぐという、このチームのスタイルがしっかりとできていましたが、この後半は焦って前方向(自陣中央)に安易なパス、あるいはクリアばかりになりました。ベンチの選手すら、ボールを奪ったシーンで「カウンター!!」と叫ぶほど、せっかちなサッカーになっていました。前半と後半で、両チームはお互いのサッカースタイルを交換したような展開になりました。
あっという間に3点を奪われ、このゲームを勝つことはできませんでした。
しかし、この試合には良いこともうまくいかなかったこともたくさんありました。これほどよい体験ができる試合は少ないと思います。ぜひ、この試合のことをしっかりと覚えておいて、次の大会のヒントにしてほしいな、と思いました。
■第2試合 vs セントラルE
負け 1-2
さて、第1試合は色々と見るべきところがあり長くなってしまいました。ここからはさっくりとまとめます。
この試合の良かったところは、ダイチのプレーです。トップとして相手ゴールキーパーの手が届くところまでドリブルで進んでおいて、バックパスで後ろに詰めていたエイタにシュートを任せたシーンです。フリーで受けたエイタはゴールの枠を外すような選手ではありません。完璧で最高のゴールシーンでした。連動こそ、サッカーの美しさの象徴だと、内藤は考えています。
とはいえ、このゲームも負けた試合です。改良できそうなポイントについてはいくつかあるので、まとめておきます。
ケイヒル→スピード、反応力、ボールコントロール能力に恵まれている選手です。その分、自身のドリブルのみに頼ってしまいがちです。まずは近くの味方、あるいは後ろの選手を利用したワンツーパスなどのポストプレーから、チーム連携を深めていくと、自慢のドリブルはさらに武器になると思います。
シュウ→トライアングルをしっかりと意識するとよいです。攻撃の切り替えのスピードは素晴らしいですし、決定力の高さはまちがいありません。その分、自分(この試合では右ハーフ)とトライアングルをつくる右サイドバック(シンノスケ)、センターバック(3年ヒロト)の位置を確認せずに相手陣内にひとりで走り込むシーンが目立ちます。自分にパスを送るのは誰か、その誰かとの距離感はちょうどよいものかどうか、そのあたりを考えながらプレーすると、ボールを持つ時間は数倍に増えると思います。つまり活躍ももっと増えることでしょう。
ヒロト(3年)→第1試合はセンターバックをやりたくない、ということで他のメンバーに任せましたね。一方で、その試合をベンチで見ていて、ヤキモキしてたのがわかります。センターバックは、圧倒的な守備力と、ディフェンスラインの統率力(まとめる力)、ゲーム全体を見て管理する力が必要で、上手で強くて冷静な選手にしかできないポジションです。もちろん他のポジションもどんどん経験してほしいですが、自分がセンターバックの名手であるということに、誇りを持ってさらに磨きをかけてもらいたいです。
サエ→秋合宿でたくさん得点を決めて、ゴールすることの楽しさをいっぱい感じたと思います。合宿でのポジショニング(ボールをもらえる位置に移動すること)はとてもよかったです。あとは、オフサイドにならないように相手選手の位置を確認しながら同じことができるよう、意識してみてください。
■第3試合 vs 本町B
負け 0-2
後半ゴールキーパーに入ってエイタの活躍は見事でした。たくさんのシュートを連続でセーブ。特に、普通なら確実に決まったであろう相手の見事なシュートを、ものすごい反応速度で横っ飛びして止めたのは圧巻でした。本町のコーチも、「ゴールキーパーがすごすぎる」と絶賛していました。
ナツ→クロスで受けてゴールの枠内に振り切ったナツのシュート、惜しかったですね。その後も、シュウへのスルーパス、見事でした。ポジショニングの才能、空間を把握する能力に恵まれています。いつ自分のところにボールが来ても、イメージ通りのプレーができるよう基礎的なトレーニングを地道に励んでほしいと思います。リフティングはそのために最も確実な練習です。お父さんやお母さんに、公園でロングキックの練習に付き合ってもらうのも良いと思います。
コウノスケ→どんどん上手くなっています。ベンチで、プレー中のケイヒルに対して「パス!パス!」と声をかけているのを見て、パスの大切さを知っているんだな、と思いました。一方、自分がプレーするときには、実はそんなにパスが出せていません。意識はあるけど、パスを出せる状況にないように見えます。トラップの瞬間にワンタッチで自由になるターン(コントロール・オリエンタード)を身につけると、パスの意識を形にすることができそうです。
■最後に
せっかくの機会なので、一部の選手には改良ポイントを書かせてもらいました。
合宿を経験した3年生は、あきらかに7月とは別人のように堂々とサッカーしていましたね。これからも自信を持ってサッカーを楽しめるよう、基礎的な練習(キックとトラップ)を大切にしてください。リフティングはキックとトラップが上手になるし、一人でできる最高の練習メニューです。
全体的にシュートをゴールキーパーに蹴ってしまう事が多かったり、パスが弱かったりとまだまだ伸びしろがあります。
秋の大会は、さらに強くて楽しいサッカーを他のチームに見せられるよう、がんばっていきましょう!
7月に開催されるも、激しい雷雨で中断されてしまった3年生の春季渋谷区民大会の順位決定リーグが、9月28日の土曜日に再開されました。春季大会が秋の季節にずれ込んだのは、熱中症対策のために日本サッカー協会から原則として8月の大会開催を見送るように通達があったことも関係していますが、そのおかげもあって3年生の選手たちは合宿を経験してから試合に望むことができました。
以下、試合ごとの総括です。
■第1試合 vs トリプレッタC
負け 1-3
相手は、今年の春までの間に富ヶ谷SCから移籍していった3名の選手(アキヨシ、ハルフミ、ユウ)がいるトリプレッタC。
どんな試合になるだろうかとワクワクしてみていましたが、前半は富ヶ谷SCが相手を押し込む展開。とはいえ相手もさすがで、こちらの攻撃を何度も受けながら、その都度しっかり守って跳ね返しカウンターを組み立てます。このカウンターに対して、守備の選手であるシンノスケ、コウノスケ、ミドリがしっかりと走ってボールを奪い返し、再び次の攻撃につなげます。ディフェンスラインを高くたもっていたことが有利に働き、ハーフのヒロト(2年)やさらに前線のシュウやエイタにボールがつながることが多く、攻撃の時間が長くなりました。特に、相手のゴール付近からのクリアボールを相手陣内につめていたミドリがヘディングではね返したときは、とてもびっくりしました。たまに攻め込まれたときにも、ゴールキック(サエ)→サイドバック(シンノスケ)→ハーフ(2年ヒロト)という、安全なサイドから脱出し、縦方向に攻撃を組み立てるという、春からずっと練習してきた形がしっかりと実行され、危なげなくピンチを脱出します。特にシンノスケ、左から来たボールを右足でトラップする(次にパスする方向に向きながらトラップする)という基礎練習で取り組んでいたことがしっかりと習慣になっており、すばらしかったです。
相手陣内で進む前半、相手守備の崩れをついて、ついにシュウが先制点を決めます。会場は大盛りあがりでしたね。前半を1-0で折り返しました。
ただ、よく言われることですが、互角、あるいは少し格上の相手に前半を1-0で勝ち越して折り返すというのは、ゲームを難しくすることがあります。3-0くらいまで差がついていれば別ですが、1点差で迎える後半は、かえってこちらの油断を生み、相手の対応に対して対応できなくなるケースが多いからです。
実際、ハーフタイムの選手たちは「相手、弱いな」「後半はもっと点を取る」という感じで、完全に油断していました。会場にいた保護者のみなさんも、「このままいけば勝てるんじゃないかしら?」と興奮されていたかもしれません。
しかし後半は、ポゼッション(ボール支配率)を奪い返され、富ヶ谷の陣内での守りの時間が増えました。
こちらのメンバー交代は、勝利にこだわったメンバー交代ではなく、なるべく全員がたくさん試合に出れるように、という意図の交代でしたから、メンバー交代の影響がなかったとは言えません。でも、原因はそことは別にあったと考えます。
一つは、トリプレッタ側がハーフタイムで対策を打ってきたこと。これは推測ですが、少し機能していなかったディフェンスの連携を調整したように思います。そのため、こちらの攻撃の終わり(相手にボールを奪われたタイミング)がことごとく相手の攻撃の始まりになっていました。さらに、富ヶ谷側の気持ちの変化、でしょうか。1点を守りきりたいという気持ちが焦りになったのか、相手の攻撃の終わり(つまり、こちらがボールを奪ったタイミング)で行う富ヶ谷の選手のアクションに変化がありました。前半は、安全なサイドから縦につなぐという、このチームのスタイルがしっかりとできていましたが、この後半は焦って前方向(自陣中央)に安易なパス、あるいはクリアばかりになりました。ベンチの選手すら、ボールを奪ったシーンで「カウンター!!」と叫ぶほど、せっかちなサッカーになっていました。前半と後半で、両チームはお互いのサッカースタイルを交換したような展開になりました。
あっという間に3点を奪われ、このゲームを勝つことはできませんでした。
しかし、この試合には良いこともうまくいかなかったこともたくさんありました。これほどよい体験ができる試合は少ないと思います。ぜひ、この試合のことをしっかりと覚えておいて、次の大会のヒントにしてほしいな、と思いました。
■第2試合 vs セントラルE
負け 1-2
さて、第1試合は色々と見るべきところがあり長くなってしまいました。ここからはさっくりとまとめます。
この試合の良かったところは、ダイチのプレーです。トップとして相手ゴールキーパーの手が届くところまでドリブルで進んでおいて、バックパスで後ろに詰めていたエイタにシュートを任せたシーンです。フリーで受けたエイタはゴールの枠を外すような選手ではありません。完璧で最高のゴールシーンでした。連動こそ、サッカーの美しさの象徴だと、内藤は考えています。
とはいえ、このゲームも負けた試合です。改良できそうなポイントについてはいくつかあるので、まとめておきます。
ケイヒル→スピード、反応力、ボールコントロール能力に恵まれている選手です。その分、自身のドリブルのみに頼ってしまいがちです。まずは近くの味方、あるいは後ろの選手を利用したワンツーパスなどのポストプレーから、チーム連携を深めていくと、自慢のドリブルはさらに武器になると思います。
シュウ→トライアングルをしっかりと意識するとよいです。攻撃の切り替えのスピードは素晴らしいですし、決定力の高さはまちがいありません。その分、自分(この試合では右ハーフ)とトライアングルをつくる右サイドバック(シンノスケ)、センターバック(3年ヒロト)の位置を確認せずに相手陣内にひとりで走り込むシーンが目立ちます。自分にパスを送るのは誰か、その誰かとの距離感はちょうどよいものかどうか、そのあたりを考えながらプレーすると、ボールを持つ時間は数倍に増えると思います。つまり活躍ももっと増えることでしょう。
ヒロト(3年)→第1試合はセンターバックをやりたくない、ということで他のメンバーに任せましたね。一方で、その試合をベンチで見ていて、ヤキモキしてたのがわかります。センターバックは、圧倒的な守備力と、ディフェンスラインの統率力(まとめる力)、ゲーム全体を見て管理する力が必要で、上手で強くて冷静な選手にしかできないポジションです。もちろん他のポジションもどんどん経験してほしいですが、自分がセンターバックの名手であるということに、誇りを持ってさらに磨きをかけてもらいたいです。
サエ→秋合宿でたくさん得点を決めて、ゴールすることの楽しさをいっぱい感じたと思います。合宿でのポジショニング(ボールをもらえる位置に移動すること)はとてもよかったです。あとは、オフサイドにならないように相手選手の位置を確認しながら同じことができるよう、意識してみてください。
■第3試合 vs 本町B
負け 0-2
後半ゴールキーパーに入ってエイタの活躍は見事でした。たくさんのシュートを連続でセーブ。特に、普通なら確実に決まったであろう相手の見事なシュートを、ものすごい反応速度で横っ飛びして止めたのは圧巻でした。本町のコーチも、「ゴールキーパーがすごすぎる」と絶賛していました。
ナツ→クロスで受けてゴールの枠内に振り切ったナツのシュート、惜しかったですね。その後も、シュウへのスルーパス、見事でした。ポジショニングの才能、空間を把握する能力に恵まれています。いつ自分のところにボールが来ても、イメージ通りのプレーができるよう基礎的なトレーニングを地道に励んでほしいと思います。リフティングはそのために最も確実な練習です。お父さんやお母さんに、公園でロングキックの練習に付き合ってもらうのも良いと思います。
コウノスケ→どんどん上手くなっています。ベンチで、プレー中のケイヒルに対して「パス!パス!」と声をかけているのを見て、パスの大切さを知っているんだな、と思いました。一方、自分がプレーするときには、実はそんなにパスが出せていません。意識はあるけど、パスを出せる状況にないように見えます。トラップの瞬間にワンタッチで自由になるターン(コントロール・オリエンタード)を身につけると、パスの意識を形にすることができそうです。
■最後に
せっかくの機会なので、一部の選手には改良ポイントを書かせてもらいました。
合宿を経験した3年生は、あきらかに7月とは別人のように堂々とサッカーしていましたね。これからも自信を持ってサッカーを楽しめるよう、基礎的な練習(キックとトラップ)を大切にしてください。リフティングはキックとトラップが上手になるし、一人でできる最高の練習メニューです。
全体的にシュートをゴールキーパーに蹴ってしまう事が多かったり、パスが弱かったりとまだまだ伸びしろがあります。
秋の大会は、さらに強くて楽しいサッカーを他のチームに見せられるよう、がんばっていきましょう!