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【2年生】春季区民大会 予選総括

【2年生】春季区民大会 予選総括
内藤です。

ゴールデンウィークのさなか、2年生の春季区民大会の予選が行われました。
昨年度の秋季区民大会はAB2チームの編成でいどみましたが、今大会は1チームでの挑戦です。この大会のめあてとして内藤がかかげたのは、「チームになること」でした。

昨年を振り返ると、春の大会の直前に急に人数が増え、チームとしてのまとまりを欠いたままいどんだ春季区民大会。明白な性格の違いで2チームに分かれていどんだ秋季区民大会。思うに、一つのチームとしてまとまる機会が足りてなかったように思います。

ですから、今大会は一つのチームになることが最大の目標であり、入賞や勝利は二の次、というより目標外と考えてのぞみました。

以下、各試合の総括です。

■出場選手
シンノスケ
ハル
ユウ
サエ
ダイチ
ヒロト
ナツ
ハルフミ

■第1試合 vs トリプレッタC 負け 0-14

絶対的に埋められない実力差。そういうものがあると、こういう大差のゲームになります。現段階、かなう相手ではないのでこの結果については深く考える必要はないと思っています。相手選手一人一人のドリブルのレベルが高すぎて、ほとんどボールに触ることができない防戦一方の展開。色んなパターンで得点を奪われた大敗のゲームでしたが、その中でも、ハルフミ、ヒロト、ダイチの3人は、かろうじて相手からボールを取り返すシーンがありました。しかし、取り返したあとすぐに、複数の相手選手にあっという間にボールを奪い返されてしまいます。試合後、みんなにあれは”ゲーゲンプレス”という技だよ、と説明をしました。サッカーには、そういう”技”があるんだな、と知るきっかけにしてもらいたいです。
この試合後、全員が口々に悔しい、つまらなかった、と言っていたのが印象的でした。
指導者の立場としては、彼らに足りないものがまだまだたくさんあり、それらを備えているチームに圧倒されるという「悔しい」経験をしてもらうことは、百回の練習を超える貴重な体験だと思っています。

■第2試合 vs セントラルG 負け 0-4

第1試合と比べると、実力差がそんなにない相手で、富ヶ谷にも十分チャンスがあるゲームでした。相手チームも含めて、互いに団子サッカー(全員がボールに集まってしまう)でしたが、この試合ではナツが大きな成長を見せてくれました。ユウやダイチがサイドをドリブルで駆け上がるとき、ナツ以外の味方はみな、そのドリブルを追いかけてしまい団子の一部となってしまいました。でも、ナツだけは相手ゴール前に入り、手を上げてパスを要求していました。これが自発的に生まれたアクションなのだとすると、この春から秋にかけての成長曲線にはかなり期待してしまうところです。
ヒロトの守備能力の高さは、チームの中では頭が1つも2つも抜けています。相手のカウンターに一人追いつき、体を入れてその攻撃の芽をつみます。体を入れるというのは、この半年の練習のテーマの1つでしたが、ヒロトは早い段階でこれを習得していました。
結果は0-4での敗北となりますが、点数ほど差のあるゲームではなかったです。惜しいシーンも何度かありました。ドリブルで仕掛けたダイチが中盤からユウに縦方向のパスを送りカウンターを演出。ユウはゴール前でシュートするも、これはキーパーに弾かれました。このシーン、ユウは得意な右足でシュートをしようとボールを持ち替えるのに少し時間を使ったのですが、ためらうことなく左足でシュートできていれば、おそらく得点になったはずです。今後、左足でのシュートにも取り組んでもらいたいと思います。
この試合は楽しかった、とサエが嬉しそうに教えてくれました。

■第3試合 vs セントラルB 勝ち 2-0

終始富ヶ谷ペースで、何度もゴールチャンスが訪れるゲームでした。その割にあまり得点が取れないのは、シュートの決定力がもう一つ、というよりは、味方のシュートを横取りしてしまったり、シュートコースをふさいでしまったりなどの、チームワークのなさに原因が求められると思います。それでも前半にシュートスキルの高いハルが得点を決めると、後半はダイチの打ったシュートが相手選手のミスを誘い追加点となりました。後方からシンノスケがシュートを打つシーンもあり、優勢のままゲーム終了。この日の貴重な勝利をつかみ取りました。


■選手別寸評

シンノスケ・・・覚醒待ちの状態に入っています。基礎的な技術は揃っていて、ものすごい活躍ができる可能性のかたまりです。ですが、試合中は何をしたらよいか戸惑っている時間が長いように感じます。試合中、何をしようか、それをつかめたら覚醒の条件は揃ったも同然です。サッカーという競技のからくりを頭で捉える時間を増やしてもらえるよう、働きかけていこうと思います。


ハル・・・サッカーに必要となる全能力をバランス良く高められています。ハートも強いし、このチームの中心になれる選手だと思います。フォワードとして大量得点を取れる選手に成長する可能性を感じています。それだけに、富ヶ谷の同じ学年の子に通用するから、と満足せず、上の学年などもっともっと強い相手に挑んで、経験値を稼いでほしいと思っています。そして、試合中は味方のボールを取らないようにしましょう笑。

ユウ・・・三笘選手のスタイルを参考にしているのかも、そんなプレーを見せてくれます。もしそうなら、三笘選手のドリブルにあって、ユウのドリブルにないものを知ることで、より三笘選手に近づけることでしょう。それは、ドリブル中の選択肢です。ユウはドリブル中に[1]相手を抜く [2]前方以外の場所へ運ぶ [3]シュートする、の3つの選択肢を持っています。三笘選手がそれに加えて持っているもう一つの選択肢がなにか、ぜひブライトンの試合をテレビで見て練習で試してもらいたいと思います。

サエ・・・楽しい試合と退屈な試合。彼女の中にそれは明確に体感があるようです。その2つの違いの理由は、相手チームや周囲の環境にあると感じているようですが、自分で楽しいサッカーに変えることができる、ということをこれからのサッカーライフで知ってもらいたいと思います。彼女は情報や状況を整理することが得意なようなので、サッカーという競技の奥深さ、面白さを知ることが鍵なのではないかと考えています。彼女にも、サッカーを頭で捉える機会が増えるよう、働きかけていくつもりです。


ダイチ・・・トリプレッタCに負けた悔しさから、試合後カチコミをかけようとしていました。闘争心について、僕は絶対悪だとは思いません。でも、その使いみちを覚えてもらいたいと考えています。自分の思い通りにならないものに対して使うのではなく、守るべき仲間のために使ってほしいのです。僕はサッカークラブの監督に過ぎず、与えられるものも限られますが、時間をかけて彼に、”彼自身が守りたいと思える仲間”を与えたいと考えています。キーパーとしての守備力、左足から放たれるシュート。それらをチームのために使ったときに感じる喜びを知ってほしいのです。


ヒロト・・・先に触れたとおり、守備に関して非常に実力のある選手です。だからこそ知ってほしいことがあります。守備とは相手の攻撃を止めるだけで終わりではありません。相手から奪ったボールを使って、攻撃を開始することが守備の本質です。これは大変に楽しい役割です。そういうわけで、今、守備のポジションはかなり人気があります。最後部からフィールドを見渡して、攻撃を組み立てる楽しさに興奮してもらいたいと思います。


ナツ・・・試合での総括でも書きましたが、味方のドリブルにつられず、相手ゴール前でボールを要求する動きはとても素晴らしいです。現段階、思うようにボールは来ないかもしれませんが、コーチに言われずに「中を作れる」選手は必ず大きく成長します。この1年でチームの中で一番存在感を伸ばしてきているのはナツじゃないかな、と感じています。いつかパスが届くようになるその日に向けて、足元の技術を高めてもらえるよう、指導をしていこうと思います。


ハルフミ・・・最近チームに加入したばかりのハルフミ。最近の練習でもまだまだ様子見をしている、という雰囲気でしたが、今回の予選の時間を通して、他の選手との距離感をだいぶ縮めてました。緊張のためか、これまではほとんど見せてくれなかった笑顔を、この日はたくさん見せてくれました。身体的能力にも恵まれている上、ボールコントロールの技術も高いものがあります。このクラブで、楽しみながら大きく成長してくれることを楽しみにしています。



■最後に
1試合目のあと、みなが悔しさを口々にしていました。その標的は相手チームでした。味方を悪く言っている選手はいなかったのです。そこにあったものこそ、チームワークのかけらです。これからもたくさん、チームワークのかけらを、集めていきましょう。