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【1年生B】秋季区民大会予選リーグ 総括

【1年生B】秋季区民大会予選リーグ 総括
内藤です。
ワールドカップグループリーグE、サムライブルーがスペイン代表に歴史的な勝利を決めてグループ1位で本戦に駒を進めたその翌日、我らが富ヶ谷SCの1年生選手たちも、区民大会の予選リーグに挑みました。

春季区民大会では直前にメンバーが増えた大所帯の1チームで、ユニフォームのないまま臨むことになりましたが、この秋季区民大会はしっかりとユニフォームに袖を通し、AB2チーム編成で臨むことができました。

学年が進むと、習熟度や意識レベルでAB分けを行うことが多いですが、1年生の彼らに対してはそうではなく、育成テーマ別にAB分けを行いました。

内藤が帯同したBチームの育成テーマは「チームとして仲間意識を持ち、協働すること」です。
プレーのレベルや身体能力が備わっていても、サッカーは一人ではできないスポーツです。昨今、サッカー選手(とくに攻撃の選手)にはエゴが必要、と言われるトレンドがありますが、富ヶ谷SCの育成理念としては、まずはチームワークの精神を大切にしたいと考えています。そんなわけもあり、良くも悪くもエゴが強めな選手たちを、Bチームには集めてみました。

エゴが強い、というと大仰ですが、あくまで小学1年生としてのそれです。
ボールを持ったらドリブル一択でパスをしない、スローインやフリーキックは絶対に譲らない、キックオフを巡って喧嘩をする、どんな時もマイペース・・・などなど、裏を返せば積極性と自信があり、人としての強さを持つ頼もしい彼らですが、この先サッカーを楽しむためには、やはり仲間と一緒に戦う気持ちが大切です。

そんな彼らに、年長3名の追加補強を入れて戦いに挑みました。
※年長の3名については、上記の基準で選んでいません。

■出場選手

コウ
ハル
ユウ
ダイチ
ヒロト
エイタ(年長)
イッセイ(年長)
ケイヒル(年長)

■全体を通して

初戦の前に皆を集めて、2つの約束を守ることをめあてにしてもらいました。それは
[1] 仲間のボールを奪わない
[2] 仲間のことを悪く言わない
の2つです。
4試合を通してこれらが完全に守れた、ということはありませんでしたが、チームを意識して戦う経験、そのきっかけにはなったのではないかと思います。

競技の観点ではは、今回は勝ち点を得ることができませんでした。
それぞれの持っている力は確かなものがあるので、チームとしての一体感を高めつつ、次節の順位決定リーグでは結果を勝ち取ってもらいたいと思っています。

■試合別レポート

(1) vs 猿楽

負け 1-2

相手ゴール前での積極的なチェイスから相手のオウンゴールを誘い1点を先制。
その後、相手GKがバックパスをキャッチしてしまい、これがファールとなって富ヶ谷は間接フリーキックをゲット。ゴールキーパーのダイチがそれを豪快にゴールに(直接)蹴り込みました。本人たちは喜びを爆発させてましたが、残念ながらルール上これは無効です(間接フリーキックを直接決めてしまったので)。この辺のルールも少しずつ覚えていってもらおうと思います。
ダイチがGKながら積極果敢に上がり攻め続けた一方の結果として、ゴールはガラ空きになりがちでした。その局面でもハル、コウ、ヒロトが積極的に相手カウンターを追いかけよく守っていましたが、2失点を喫し、敗戦となりました。
気持ちの強さと大胆さ、このチームの特徴が良くも悪くも表れたゲームだったと思います。特に、自陣ゴール前でボールを持ったハルが、相手FWを冷静にターンでかわしたシーンは、彼のハートの強さを象徴していたと思います。

(2) vs トリプレッタB

負け 1-3

後半、中央からドリブルで飛び出したユウがスピードあるシュートで1点を取る、彼らしいゴールがありました。ベンチからは、年長イッセイの「がんばれ、とみやが!!」の可愛らしいエールの連呼もありましたが、健闘むなしくこの試合も黒星となりました。
ただ、その中でもヒロトのディフェンダーとしての活躍には眼を見張るものがありました。味方全員が上がっていても、自分だけは最後尾にとどまり、いつでも守備ができるポジションにこだわっているようでした。いざ守備のシーンとなったときも、強い球際を見せ、高いデュエル勝率を見せつけてくれました。チームの一員として、役割を意識した瞬間であったように思います。

(3) vs 渋谷東部A

負け 0-10

とにかく圧倒される相手でした。体の大きさの差は明白、キック力やパワー、テクニックのすべてでかなわない相手との一戦。加えて、審判にチャレンジするほどの、徹底した勝利へのこだわりを見せるベンチワークで分かる通り、各選手に対して大人によるメンタル改造も進んでいます。富ヶ谷SCが目指すのとは大きく異るサッカーチームとの対峙でしたが、これが彼らにとって良い体験となることを期待しています。具体的には、数年のうちに、今回の相手を圧倒するようなチームに成長することを、です。
少なからずその手応えを感じたのは、富ヶ谷SC Bチームの全員の気持ちの強さと自主性です。体をはって相手の強いボールを跳ね返すコウ。果敢にゴール前までドリブルで切り込んだエイタ。ナイスセーブを連発するGKのヒロト。ちょっと前まで弱気を見せることのあったケイヒルも、ひるむことなく楽しそうに相手に挑んでいました。
どんなに点差をつけられても、誰一人として気持ちは切れてませんでした(ユウは、ちょっと切れてたかもしれないけれど、今後の課題として拾い上げることができました)。
。ともかく、最後まで自分で考え、全力で走り続けた彼らを見て、こう思いました。
この試合で、自分の力だけでサッカーを楽しんでいるのは、富ヶ谷SCのほうだ、と。

(4) vs 渋谷セントラルC

負け 0-3

4試合目で、Bチームの雰囲気に少しの変化を感じ取ることができました。
試合前、もう出たくないな、と言っていたヒロトが、試合直前に、やっぱり出たいなぁ、と気持ちを持ち直したこと。
キックオフの際に、ユウが作戦らしきものを仲間に耳打ちしていたこと。
これまでドリブルで逃げ回ってボールを失う事が多かったダイチに、パスの意識が芽生えてきたこと。
大きな変化は、その前にちょっとした兆候を伴うことが多いものです。この予選での経験が、1年生のチームビルディングに必要となる、大切な何かを見つけるきっかけになってくれたのではないかと、期待しています。