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【2年生】秋季区民大会 決勝リーグ 総括

【2年生】秋季区民大会 決勝リーグ 総括
内藤です。
2月13日(月祝)、北側の日陰に1週間前の雪の残る渋谷区スポーツセンターで、2年生の決勝リーグが開催されました。予選の結果が4位だった富ヶ谷SCは、SIVリーグ(4位リーグ)、5チームで争うリーグでの挑戦となりました。

予選こそ、優勝候補のチームが複数いるグループということで苦戦を強いられましたが、この日の決勝4位リーグならのびのびとゲームを楽しむことができるだろうと予想していました。一方そのことが、ドリブルが得意な一部の選手のスタンドプレー(一人サッカー)による得点量産ではよろしくないと考え、試合前みんなにチャレンジしてもらいたいコンセプトをこう伝えました。

「協働力[きょうどうりょく]を発揮してほしい」

協働力なんて言葉は、彼らはもちろん知らなかったでしょうし、大人でもなかなか聞くことが少ないかもしれません。でも、富ヶ谷SCではもっとも大切にしているコンセプトの一つです。
(毎年クラブ運営部に参画いただく保護者の皆さんにお願いしているのも、まさにこの、協働力です。)

一つのゴールも、一つのディフェンスやキーパーセーブも、一人によって成功したものではなく、みんなで協力して成功させてほしい、そのことを感じてほしいと伝えました。

つまりはチームワークだね、と子どもたちはざっくりと理解して(笑)試合に望みました。

振り返ってみると、いずれの試合も協働力を感じさせるよいチームビルディングができていたと思います。
しかし、試合結果を見ると、内藤が最初に予想していたような、のびのびと簡単にやらせてくれるようなゲームはほとんどありませんでした。

■第1試合
vs 千駄谷C 引き分け 0-0

千駄谷SCの特徴を一言で言い表すと、攻撃陣がしっかりと幅を取って(=両サイドに広がって)、横に広いサッカーを仕掛けてくることです。また、そのサイドからのクロスをきっちりと処理してゴールを生み出す、とてもお手本になるサッカーです。
ただ、この日の対戦相手は、Cチームということもあるのか、そうしたスタイルではなく中央からの突破がメインのスタイルでした。これは現時点の富ヶ谷2年生チームと同じような戦い方、と言えます。強いキックを蹴ることができる選手が何人かいる点も同じ。おそらくは発展途上のチームということで、良い好敵手となりました。わずかにこちらが勝っていたように見えるのは、相手ボールのキックオフで始まる際の、フォーメーションの綺麗さでしょうか。ポジションこそ決めましたが、フォーメーションをきれいに保つようにするというのは、内藤の指示によるものではないので、とても素晴らしいと思いました。

その一方でこちらは予想していた通りですが、予選にはいなかったヒロトが得意の守備で活躍します。いくつものピンチを、ヒロトが救ってくれました。サエはお得意のループパス(ボールを下からすくって蹴る高い軌道のパス)で、相手選手の頭上を超えるパスを成功させます。そのパスの一つはハルに届き、シュートまで繋がりました。

この日のダイチは予選と違い、ゴールキーパーとして堂々としてました。そのゴールキックが相手の隙間を通ってシュウゴに届きます。素晴らしい攻撃の組み立て方になっていました。

ユウも高い集中力で積極的にゴールを狙いますが、残念ながらこのゲームではゴールは生まれませんでした。

(富ヶ谷と引き分けたこの千駄谷Cチームは、この4位リーグで5チーム中2位となりました。)

■第2試合
vs セントラルE 負け 1-4

ゴールキーパーはシュウゴ。このチームの必勝パターンである、シュウゴがキャッチし、すぐにパントキックして一気に攻撃陣にボールを渡すカウンター攻撃が冴えますが、なかなかゴールを生むことができません。逆に、シュウゴのゴールキックが相手に拾われて失点に繋がります。これはシュウゴのキックがどうこうというより、ボールを受けてあげる選手が解決するべき問題でした。左サイドにいるシンノスケにポジションの修正を伝えてみましたが、これまでの練習中に伝えていなかったことを急に伝えても、ゲーム中に解決することは難しそうでした。今後の練習で取り組んでいきたいと思います。

結果は負けとなったこのゲームですが、半年間練習してきた成果を実感できる試合でもありました。サエ、ハル、ダイチはしっかりとトライアングル(三角形)を作り、お団子になることなくボールをパスでつなごうとする姿勢がはっきりしていました。ハルは右サイドをドリブル突破し、中央でしっかりと”中を作っていた(シュートできる位置取りをしていた)”ユウにつなぎます。ゴールにはなりませんでしたが、とてもテクニカルなシーンでした。トライアングル、パス、クロスはこの半年間の練習のテーマでしたから、コーチとしては大きな手応えを感じました。

劣勢のまま進んだゲームでしたが、ダイチの縦パスから、今大会のチーム初得点を、ハルがきっちりと決めて一矢報いました。

(セントラルEは、この4位リーグで5チーム中1位となりました。)

■第3試合
vs セントラルF 勝ち 3-0

ゴールキーパーはサエ。お得意のループパスを、ゴールキックにも活用していました。このゲームではユウが躍動します。シュウゴが左サイドからクロスを入れ、ユウがシュート。これは得点になりませんでしたが、その後
中央から切り込んでユウがゴールを決めると、今度は守備でボールを奪ったヒロトからのパスを受けてこれまたユウがゴール。このゲームでは、ユウが起点となって相手陣内でのパスワークをいくつも成功させます。ボールホルダーのシュウゴに自ら声を出してパスを要求しゴール前でボールを受けてシュートするなど、明らかに半年前とは比べ物にならないパフォーマンスの高さです。ユウが左サイドからゴール前にボールを持ち込んだときは、特に目を見張りました。以前であれば、このシーンでは右足でシュートをするために時間をかけてボールを持ち替えようとし、その隙に相手にボールを奪われていました。どうなるか見ていると、迷うことなくゴール前で中を作っていたフリーのハルへパスをしたのです。
ダイチもパスの意識がはっきりしていて、特に、他の選手がなかなかやらない”横方向のパス”をたくさん出している点は、とても素晴らしいと思いました。
シュウゴは、相手ゴールキーパーのゴールキックを積極的に狙っていき、奪取に成功すると、冷静に右隅へ決めます。実はこれが、公式戦初ゴールですね、おめでとう。

■第4試合
vs セントラルD 負け 0-1

確かな実力差がありました。どちらが強かったのかというと、富ヶ谷SCの方が圧倒していたと思います。しかし、結果は負け。
サッカーの奥深さを実感してもらうゲームになったのではないでしょうか。ゴールキーパーはダイチ。シュウゴは右からクロスを上げ、ハルがシュートを試みるも相手ゴールキーパー正面。シンノスケは、得意な強くて正確な縦パスを使い攻撃を組み立てます。ゲームの進め方は全く問題なく、終始相手陣内で時間が進みました。
ハルは試合後、こう言ってました。「(自分が)決定力不足だった。」と。別にそんなことはないんですが、そう語っているときの彼の口ぶりに(内容とは対照的なその笑顔に)、本当にサッカーが大好きなんだなぁ、と微笑ましく思いました。

失点の理由をあえて言うなら、ずっと相手を押し込めただけに、全員が前掛かりになって(=ディフェンダーも含め味方全員が相手陣内に押し寄せて)、たった一度相手のカウンターの成功、相手側のミラクルを作ってしまったことでしょう。

これについては、ディフェンスの対応の仕方など細かいことは色々あるわけですが、内藤としては現段階気にしなくて良いと思いました。

それよりも、味方が相手を押し込んでいる時に、ディフェンスも相手陣内まで攻撃に参加していたことを評価します。言葉こそ使っていませんが、シンノスケの「今は僕らも攻撃に行こう」という姿勢が、他のディフェンダーを動かしていると見ています。春の大会の頃は、味方が攻めていてもディフェンスの選手たちは自陣のゴール前に張り付いて、ボーッとしていたり、おしゃべりしたりしていたのですから。

素晴らしい進化を確認できたゲームでした。


■総合結果
5チーム中3位

■次の大会に向けて

今年度の大会はこれで終了です。
来年度からは、フィールドのサイズもゴールのサイズも2倍になります。ルールも、6人制から8人制、オフサイドルールありに変わります。当然、必要な力や技、知識や戦術も変わっていきます。基礎練習ではいよいよ、インフロントキックを使ったロングパスを身に着けてもらおうと考えています(キック練習は家族ともできる練習です。タイミングがあればぜひ、促してあげてください)。次の春に向けて、がんばっていきましょう。