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【3年生A】春季区民大会決勝リーグ総括

【3年生A】春季区民大会決勝リーグ総括
春季大会IVリーグ 3年生Aチーム

予選リーグでは3位ながら、得失点差で4位リーグにまわったAチーム。試合前、内藤監督よりとても大切なアドバイスをいただきました。

「忙しくなろう!」

1試合90分で行われるサッカーの試合で1人の選手がボールに触る時間は平均すると僅かに3分。残りの87分間で何ができるのか。暇になってしまうのか、忙しく動けるのか?

試合中「忙しくなる」を目標に、今回決めた試合のテーマは3つ。
声を出す、周りを見る、ボールをもらいに「顔」を出す。
試合中、何をするべきかを決めるのは選手自身。コーチからの指示を聞くだけでなく自分で考えて判断しなければなりません。
予選リーグでは試合中に細かい指示を出していましたが、この日はちょっとガマンして選手たちの判断に委ねるよう努めました。

予選リーグと同じように後ろに選手を残すように指示を徹底してカウンターを防いでいれば、1勝2敗の結果はもう少し良くなったかもしれません。それでも選手たち自身で声を掛け合う場面、試合間のミーティングで自分の考えを発言できる選手が増えたことは今後の成長に向けてとてもポジティブなことと思います。

スペースをみつけて走り、何本もシュートを打った ふうか。
激しいプレスで相手からボールを奪い返した けんた。
ボール奪取から味方につなぐためのパスにチャレンジした ゆいと。
しのた は2試合目の失点を「自分が残ってれば良かったんだ!」と振り返り、3試合目のポジショニングをしっかりと修正しました。
攻撃的なポジションに初挑戦した じゅたろう も幅を取る攻撃で個性を見せてくれました。

選手それぞれの小さな成長と考える力がきっとこのチームを強くしてくれると思います。

1試合目 vs本町 (0−7)
3試合で21得点、無失点で1位になった本町スポーツ少年団の攻撃の圧力に対して、少し「ひきすぎて」しまった富ヶ谷はペナルティーエリア内の守備が消極的になってしまいました。勇気をもって奪いに行く、前に進む力が足りなかった印象です。
カウンターからサイドを抜け出しても、下がりすぎていた中央の選手が間に合わず攻撃も単発に終わってしまいました。

この試合、最も感じたのが基本技術の差。止める蹴る、ドリブルで運ぶなど富ヶ谷の不足している部分がチーム力の差となって大きく現れました。「考える力」とともに、それを実行に移すための技術を身につける時間の確保と動機づけはコーチ陣の課題でもあり、反省している部分です。

試合は後半、しょうた がピッチに入ると彼の積極的なランニングでわずかに押し返す時間帯もできました。しょうたは攻守に大きく動いて自陣ゴールライン上でのクリアもあり、チームを救う守備の楽しさにも気づいてくれたようです。同じく2年生ながらフル出場のキーラン も柔らかいボールタッチでのドリブル技術など3年生に見習ってほしい部分をみせてくれました。


2試合目 vsセントラルD (0−5)
立ち上がり優勢の時間が続き、前がかりになる選手たちはウラを取られて失点してしまいます。その後立て直せず、結果0−5の敗戦となった試合でした。

スコアだけなら完敗と言える結果でしたが、試合中、サイドラインから試合を観戦していた審判員の方に話しかけられました。
「富ヶ谷はいいサッカーをしているね」
「攻撃の仕方がおもしろい」
「サイドの選手、彼はいいよ。ジョージ・ベストみたいだ」

何度か成功させた、パスを繋ぎサイドを大きく使いながらシュートまで組み立てる攻撃は、まさに選手たちがピッチの上で自分たちで考えながらサッカーをしていた証拠だと思います。

周りを見て、味方をみつけてパスをする。
声をだして、ボールを呼び込む。
ボールをもらえる位置に、顔をだす。

3つのテーマを自然に実行してくれた選手たち。結果には繋がりませんでしたが、今後に大きくつながる1戦だったと思います。

3試合目 vs美竹 (2−1) 
得点 だんぺい (アシスト しのた)
   わくたろう (PK)

試合前、マドリッドからの国際電話で励ましの声をくれたのは櫻井コーチ。連敗のあとでも選手全員、明るく3試合目に臨みます。
サイド攻撃からのセンタリングに合わせられ、先取点を奪われても選手たちの元気は失われません。

この日、常に攻撃の中心にいた、キャプテンのわくたろう が得意の左サイドで攻撃を牽引します。左サイド奥深く獲得したスローインの流れで しのた から中央の だんぺい に繋いで同点に。
さらに だんぺい のドリブル突破が相手スライディングの反則を誘いPKを獲得。試合後「ちょー緊張した!」と語った わくたろう でしたが、冷静にゴール左に沈めて逆転勝利となりました。
ベンチメンバーの不足から急遽選手登録となった かのと もボールのもらい方がうまく積極的にボールを引き出し勝利に貢献してくれました。

勝利を祝い、全力疾走で得点を喜ぶ選手たちは頼もしくもあり、全員が出場時間が長い中まだまだ走れる印象でした。
もしかしたら、もっと試合中「忙しく」なれる体力が残っていたのかもしれません。今後もさらに積極的なプレーでサッカーを楽しんでほしいと思います。


評価選手
だんぺい
富ヶ谷SCの「ジョージ・ベスト」とは彼のこと。
5人目のビートルスと讃えられた北アイルランドの名選手。引退後の波乱万丈はさておき、バロンドールにも選ばれた長髪のドリブラーに例えられた だんぺい の誰にも負けないスピードは、Aチーム最強の武器になりました。

最後に今大会では6年生交流戦が並行して開催されており、合宿で一緒になった上級生を応援したい!と志願してくれた選手がいました。また整列などでも選手同士で声を掛け合い、素早く行動する意識が見てとれて、生活面での成長も感じ取れた1日となりました。