【2年生】練習試合レポート VS 赤坂FC、千駄谷SC
5月12日(日)、赤坂SC、千駄ヶ谷と練習試合を行いました。今回先方のご意向で8人制での開催となり、富ヶ谷のこの学年にとっては初めての8人制での試合となりました。
富ヶ谷はBチームに人数が足りず、AチームとABチーム混合チームの2チームで試合に臨み、結果として、両チームとも勝ち越しで試合を終えることができました。赤坂SCはおそらく1年生を中心としたチーム、千駄谷はBチームが主体のチームだったようですが、8人制の初めての試合としてはちょうど良い対戦相手だったと思います。
【試合結果】
Aチーム
vs赤坂SC 0-0
vs千駄谷 2-0 得点:ケイヒル、コウノスケ
vs赤坂SC 2-0 得点:エイタ、コウノスケ
vs千駄谷 2-0 得点:ケイヒル、シュウ
Bチーム
vs赤坂SC 0-0
vs千駄谷 1-1 得点:コウノスケ、
vs赤坂SC 2-0 得点:エイタ×2
vs千駄谷 1-0 得点:アサヒ
【戦評】
試合前、選手たちには、(1)オフサイドのルール、(2)8人制サッカーにおけるフォーメーションの種類、(3)富ヶ谷2年生チームで採用するフォーメーションの特徴、(4)相手のフォーメーションによってディフェンスの仕方が異なってくることなどを説明しました。
相手のフォーメーションによってディフェンスの仕方が変わる、となると、とても複雑そうに感じますが、どのフォーメーションに対しても、(1)基本的にはセンターバックの一人をカバーリングの選手として余らせること、(2)相手のディフェンスラインには一人一人マークは付けず、フォワードの選手が複数の相手ディフェンダーの動きに対応すること、(3)上記(2)に関連してボールを保持している相手のディフェンスラインに対してこちらのフォワードがプレスをかける局面では、相手ディフェンスのパス回しに連動してボールを追いかけつつも、相手ディフェンスのパスミスやトラップミスなどの場合を除いて、基本的には無理に追いかけてボールを取り切らなくても良い事という共通のルールを置くことで、相手がどのフォーメーションであっても、その他のポジションでは、単純に近接する相手にマークをはめていくだけで、中盤では数的同数、自陣ゴール付近では数的優位を保つことができるようになります(ただし、マークが突破された場合はこの限りではないので、その際は近接する選手が1人ずつマークをずらして対応する必要があります)。
1年生の時からフォーメーションでの守備に慣れていたためか、どの選手も概ね組織的な守備についての概念を理解できている様子で、選手たちに、「この場合はだれがマークに付くかな?」と質問しながらマークを確認していくと、適切なマークのつき方を自ら考えて言い当てていました(とは言え、実際の試合では、そもそも自分のポジションを忘れて、自由に上がったり下がったりしてしまう選手も少なくなく、せっかくのディフェンス戦術が機能しなくなってしまうので、攻守の切り替えの際には、ポジション修正を促しました。今後はポジション修正は外からの声がなくても自分で周囲の状況を確認して、自ら判断、調整していけるよう、徐々に慣れていってほしいと思います。)
相手が富谷戦に対してレベルを下げてきていたこともありますが、結果的にAチームの方では、このディフェンス戦術は機能していたと思います。Aチームの方は4試合を通じてシュート被弾数は2本程度で、終始全線でボールを奪い、ショートカウンターでシュートまでつなげる展開を見せてくれました。Bチームの方も対千駄ヶ谷戦の1本目では相手のシュート数の方が多かったですが、その他の試合ではほとんど相手からシュートを打たれることなく優勢に試合を進めてくれました。
しかし、今後区民大会などで競合と対戦していく中では、一つのフェイントや、個人のスピードで簡単にマークを外されピンチを招くシーンも出てくると思います。選手たちには、マークを外された際にマークをずらして連動して守る意識や、そもそも1対1で簡単に抜かれないよう1対1の守備の強化も意識を持ってもらうよう指導していきたいと思います。
なお、オフサイドのルールについては、オフェンス面、ディフェンス面でそれぞれ考えるべきことは異なりますが、ディフェンスに関して、これまで自分たちが攻めている時にセンターバックが自陣のゴール付近に留まってしまうことがよくありましたが、そうしてしまうと、相手ゴール付近の集団と自陣に留まるセンターバックの間に無駄にスペースができてしまい、そのスペースにボールが転がってきた時に相手に先にボールを取られてしまい攻め込まれてしまうため、ディフェンスラインは上げておいた方が良いのですが、オフサイドのルールの下では自分たちが攻めている時にはディフェンスラインを相手のオフェンスよりも前に押し上げる事で相手オフェンスの選手をオフサイドにすることができる事などを説明し、また、センターラインよりも相手の陣地側にいる相手選手については、こちらのディフェンスラインよりも後ろでボールを受けてもオフサイドにならないため、その対策として、相手陣地内にいる時は、相手の最前線よりもディフェンスラインを下げて対応する必要があることなどを説明しながらその動きを確認しましたが、選手たちは一様に理解できている様子でした。
また、Aチームの方は、最近試しているキックの上手なアサヒやコウノスケをディフェンスラインに下げてビルドアップの起点とする作戦を8人制でも試していたところ、アサヒもコウノスケも随所に短いタッチ数で前線に素晴らしいボールをフィードして攻撃の起点になってくれていましたが、ここを狙われてボールを奪われピンチになるシーンも見られました。これはディフェンスの最終ラインで相手にボールを奪われるリスクがありつつも、そのリスクを取ってでも最終ラインからボールをしっかり回していこうという戦術であるため、ある程度仕方のない部分ではあります。今回はボールを奪われた選手が自らリカバリーし、コンビを組むセンターバックの選手のカバーリングもあり失点には至りませんでしたが、今後強豪と対峙していくときに、失点につながるリスクもあるので、今後もディフェンスラインのパス回しでボールを奪われた際のカウンターは警戒しながら、そもそもボールを奪われないような動きは改善していけたらと思います。これは、アサヒやコウノスケに限らず、AチームでもBチームでもボランチやセンターバックでプレーする可能性のある選手全員にお願いしたいことですが、ボールを受ける前からの首振りで相手選手との距離や、パスの選択肢の確認などの状況を判断し、素早く仲間に簡単に繋いだ方が良いのか、少し余裕を持ってパスできるのか判断していくことや、ワンステップでキックできるように、どんな状況でもしっかり足元でボールを落ち着かせるトラップの精度を上げていく事などはぜひ意識してもらいたいと思います。
Bチームの方は、まだどうしてもボールに引き付けられてしまう選手が多く、試合前に確認していたフォーメーションから離れ、思い思いのポジションでプレーをしてしまう選手が多く見られました(Aチームの選手も何人かはそうですが)。そうしてしまうとせっかくのディフェンス戦術が機能せず、お団子状態になって空いたスペースを簡単に使われて、相手が攻撃をしやすい状況を作り出してしまうので、選手達にはぜひ、プレー中に首を振って、味方の位置、敵の位置、自分自身の位置を確認しながら自分でポジション修正する感覚を身に着けてほしいと思います。
攻撃面については、特に事前に指導は行いませんでしたが、オフサイドになる選手が、何人か出ていたので、試合の合間に、オフサイドを取られないためにどう動けば良いか考えてもらう時間を設けて、直線的にディフェンスの裏に走りこむのではなく、パスのタイミングを見ながらオフサイドラインに向かって膨らんでから裏に抜けることでオフサイドを取られづらくなることなどを確認しました。また、スローインやコーナーキックでよくある動きとして、最初から裏のスペースに走りこんでその場で立ったまま動かずにボールを待ってしまう選手がいますが、そうすると、すぐにマークに付かれてしまい、せっかくできていたスペースを潰してしまうことになるため、オフサイドと同様にあえて、前に行くのを我慢して、相手を引き付けてスペースを自分から作っていくような動きも今後練習に取り入れていきたいと思います。
攻撃面ではもう一点、これは前回の区民大会からの継続的な課題ではありますが、得点力の強化は大きな課題だと思っています。今回、ABチームともに1試合ごとに10本近くのシュートを放ちながら、決めきれないシーンが何度も見られました。今回は特に初めての8人制での大きなコートでの試合だったこともあり、シュートの距離感や強さを測りかねている選手が多かったようですが、途中のゲーム終了後の振り返りで、「シュートはゴールへのパス」だよと伝えたところ、ケイヒルがインサイドでコースを狙ってしっかりゴール隅にパスしてゴールを決めてくれたのが印象的でした。今後も、しっかりとコースを狙っていく練習、また、ペナルティエリアからでもゴールを狙えるようなシュート力の強化は課題として練習に取り入れていきたいと思います。
また、サイドからの縦への突破に対して相手が守備を集めて対応していたので、逆サイドでフリーの仲間がいる事、縦の動きを警戒する相手に対して、横パスは比較的繋ぎやすい事などを踏まえてサイドチェンジして攻撃を組み立てる事にチャレンジするよう促しました。縦が詰まった場合は後ろに戻したり、横に繋いで攻撃を組み立て直す動きなどは今後練習に取り入れて行きたいと思います。以上のように守備面、攻撃面で課題は見られましたが、総じて初めての8人制としては上出来だったと思います。AB両チームの選手とも、とても高い順応力、理解力を見せてくれました。秋季リーグはまだ6人制で行われますが、今後も機会を見て8人制の練習試合なども組んでいけたらと思います。みんなで頑張っていきましょう!
最後に選手一人一人にアドバイスです。
エイタ
センタリングの意識やラストパスを狙うプレーなど自分が得点するだけではなくチーム全体で得点して勝つための献身的な姿勢が素晴らしかったです。なんども決定機を作り出していましたが、サイドの奥まで駆け上がった後にセンタリングをあげる際に、右足でも左足でもしっかり足と腰を振り切って、ファーサイドまで届くセンタリングが上げられるようになるともっとチャンスメイクができるようになると思うので意識して練習して見てください。また、キーパーと1対1の場面で決めきれない事が何度か見られたので、シュート直前のトラップの方向やシュートのタイミング、トラップしてからシュートするまでの速さ、シュートするコースなども意識してゴールの確率を上げられるように普段から意識して練習に取り組むと良いと思います。
ケイヒル
縦の突破力はケイヒルの素晴らしい武器ですが、ケイヒルのドリブル中に相手が何人も引き寄せられて、逆サイドの仲間がフリーになっていることが多いので、そこを見れるように、そこまでボールをつなげられるようになると、もっと簡単にチームでの得点が望めると思うのでぜひ意識してみてください。中につなぐ選択肢を持つと、ディフェンスの意識も中に集中するので、その時は逆にもっと簡単に縦突破できるようになると思います。最後の得点シーンでは闇雲にシュートするのではなく、しっかりゴールの空いているスペースにパスをしていましたが、周囲のアドバイスを聞いてすぐに実践できる適応力の高さもケイヒルの強みの一つだと思います。スピードにシュート精度が加わると今よりもさらに相手の嫌がるストライカーになれると思います。
シュウ
オフザボールの動きが素晴らしく、ボールホルダーの仲間を追い越して、裏のスペースに抜けるランニングや全体の流れとは敢えて違う動きをして、自分の前にスペースを作りながらボールを待つポジショニングにはセンスを感じます。これはなかなか指導することも難しく、練習しても簡単にできるものではありません。今回もそのポジショニングの良さから何度も決定的なチャンスを作り出していたと思います。あとはシュートの強さ、タイミング、コースの精度も上げていくことで、得点を量産していくことができると思います。ぜひフィニッシュを意識して練習に取り組んで見て欲しいと思います!
ヒロト
豊富な運動量と判断の良さが強みだと思います。プレー中もよく首を振って、チャンスになりそうなところ、ピンチになりそうなところをよく見極めて動いていると思います。初めての8人制でまだ距離感を掴みかねている感じでしたが、攻撃時には球離れよくパスを回して、守備時には素早く相手の攻撃の芽を積んで攻守に活躍してくれました。今回はボランチとサイドハーフでプレーしてもらいました。ボランチは状況に応じて上がったり下がったり、ボールに近づいたり離れたり、ゲームのバランスをとることが求められる難しいポジションですが、今回のゲームではバランスのとれたポジショニングができていたと思います。ボールタッチやトラップ、パスの精度が上がってくると、さらに活躍できるのではないかと思います。ぜひ、練習に励んで欲しいと思います。
コウノスケ
キック力が強く、キックの精度も高く、視野も広いため、ロングパスやシュートに強みのある選手だと思います。今回も3得点と活躍してくれたほか、ボランチで出場した際には、前方に効果的なパスをフィードしてくれました。改善点としては、攻撃から守備へのトランジションの際の守りへの切り替えの速さ、攻め上がった後にディフェンスに戻れる体力がついてくるとより勝利に貢献できる選手になれると思います。また、ボールに集中しすぎてついついボールに引き寄せられてしまったり、攻めたい、守りたい気持ちが強すぎて、本来のポジションから離れたポジショニングをしてしまい、フォーメーションが機能しなくなってしまうことがあるので、味方の位置、敵の位置、自分自身の位置を確認しながら自分でポジション修正できるように意識してもらえると良いと思います。
トウマ
ディフェンスの要として、主に最終ラインでのカバーリングを得意とする選手です。遠くからよく相手のオフェンスの選手の動きを観察して、タイミングを見て一気に距離を詰めて相手の攻撃を刈り取るディフェンスは猛禽類の狩を見ているようで頼もしいです。ただ、仲間が攻め上がっているタイミングでも自陣に留まってしまうところがあるので、そういった時はディフェンスのラインを上げて、ディフェンスラインの底でこぼれ球を処理するなど攻撃への参加ができるようになるとよりチームの勝利に貢献できる選手になると思います。特に8人制がはじまるとオフサイドを有効に活用していくことも必要なため、ディフェンスラインを下げすぎてしまう部分は改善していけたらと思います。また、今後はディフェンスラインでパスを回していく場面も増えていくと思うので、ボールタッチやトラップ、パスの精度を上げていく必要があると思います。ぜひ練習に励んでもらえたらと思います。
アサヒ
キック力、キック精度、ボールタッチなど基礎技術がとても高い選手だと思います。また、プレーの再現性が高く、前回大会でディフェンスラインから少ないタッチ数で、右サイドの前方の裏のスペースへスルーパスを出して攻撃の起点となったシーンがありましたが、これをその後のミニゲームや練習試合などで、意識的に再現しているようです。今後もこのような得意なプレースタイルをたくさん作ってくれたら良いと思います。さらに、その得意技に対して、別の選択肢を作っておくと良いと思います。例えば、先ほどの縦パスを一つの得意技として、縦にパスをすると見せかけてシュートフェイントしてから後ろにいる味方にパスを出す、といった選択肢を追加してみるといった具合です。仮に得意なパターンが5つあるとして、それぞれに別の選択肢を作ると10通りのプレーができるようになります。選択肢を増やすと、相手もどちらを警戒したら良いのか迷い、得意技の成功率も上がっていきます。ぜひ、こうやってプレーの幅を増やしてもらえたらと思います。また、ディフェンスラインではボールを持ちすぎると簡単にボールを奪われて、さらに後ろで守る選手がいないので、大きなピンチにつながりやすいです。簡単にボールを繋ぐ意識を持ち、ボールを奪われた後には焦らず冷静に、しかし素早くディフェンスに切り替えて、仲間と連携してディフェンスを立て直せるよう意識してもらえたらと思います。
カイ
今回キーパーとフィールダーの両方で出場してもらいましたが、フィールダーとしても以前より上手くなっていて驚きました。近代サッカーではキーパーもパス回しやドリブルなど足元の技術が求められるので、キーパー以外の動きもぜひ継続して練習してもらえたらと思います。キーパーとしては、相手との距離感を掴むのがとても上手で、勇気を持って飛び出してセービングができるのも強みです。ボールを取った後にしっかり体を被せてボールを押さえ込む動きも安定感があって良いと思います。ゴールキックの際もより安全な場所を選んで、素早くパスを出せるようになってきたと思います。今後の改善点としては、相手のボールホルダーに応じたポジショニングの修正が上げられると思います。相手がボールをずらすと相手から見たシュートコースはどんどん変化していきますが、その動きに合わせてシュートコースを1番小さくすることが必要です。これをせずに、同じところに止まったままでいると、相手から見たシュートコースが広がって得点しやすくなってしまいます。また、キックの向上は今後も取り組んでもらいたいです。パントキックもだいぶ蹴れるようになってきましたが、まだボールの芯を捉えられていない時がありますし、力を抜くタイミング、力を入れるタイミングを変えることでもっと飛ばせるようになると思います。パントキックと同時にロングキックもぜひ一緒に練習してもらえたらと思います。それぞれ、3年生になるまでに、8人制のフィールドでハーフウェイラインを超えてボールを飛ばすことを目標に練習してみると良いと思います。
ソウジ
とても理解力の高い選手だと思います。事前のミーティングで8人制のフォーメーションの動きを確認している時も、いち早くそれぞれのポジションの動きについて的確な意見を出してくれました。最近はキック力もついてきて今回の練習試合でもロングシュートを狙うシーンが見られました。ソウジは気持ちや理解力とは裏腹に思い通りのプレーができずもどかしい部分もあるのではないかと思います。その原因の一つに体の力みがあるのではないかと思います。私も専門ではありませんが、インターネットで調べてみると、力みを解消するために、テニスボールを両手に持ったまま、ボールタッチする練習(手が力むことで体全体のバランスが崩れてしまうのを防ぐトレーニング)や、 ストレッチのような脱力トレーニングなど色々な手法があるようです。色々と試してみてソウジに合うトレーニングを探してみるのも良いかもしれません。後はやはりプレーの前によく首を振って状況を判断していくことも大事だと思います。球際のボールの取り合いの際に遠慮したり躊躇している場面も見られるので、あまり深く考えずに相手より先にボールに触ることだけに集中してみても良いかもしれません。球際の強さと体の力みが取れるとプレーの質が変わってくるのではないかと思います。ぜひ意識して練習してみてください。
ナオヨシ
とてもテクニックのある選手で、ダブルタッチなど成功率の高いフェイントも身につけています。また、ファーストディフェンダーとしての動きもよく、相手選手をよく観察して相手がスピードに乗って方向転換できないタイミングを狙って相手の動きをブロックするシーンも増えてきました。キックも上手でロングキックも段々と蹴れるようになってきたと思います。課題はボールを奪った後やダブルタッチで相手をかわした後のプレーが続いていかないところだと思います。この点については、無理にボールを運ばずにパスを選択してみるなど、ドリブル以外の選択肢を考えてみるのも一案だと思います。1人を抜いた時点で数的有利を作り出しているので、2人3人と抜いていく必要は必ずしもないのです。パスを出す選手だと思われればその裏をとってドリブルすることでドリブルも改善していくと思います。もう一つは、ドリブルで向かう方向や相手の体の向き、ディフェンスしている方向、自分の体の向きを考えて見ることが大切だと思います。たまに左サイドでボールを持った時に相手のコーナーまでボールを奪われずにドリブルで駆け上がることが最近増えてきたと思いますが、その時に自分の体の向き、相手の体の向き、ドリブルの方向はどうなっているのか、逆にフィールドの中央でドリブルしようとしてなかなか前に進めないときはどうなっているのか考えられるようになるとボールを奪われないドリブルができるようになると思います。ぜひ色々と挑戦してみてください。
シュウヘイ
スピードと左利きが武器の選手です。スピードは富ヶ谷の2年生で1番のスピードスターですし、左利きは、右利きに慣れている相手の逆をつくことができるのでサッカーでは有利とされています。怪我の影響でブランクがありましたが、戻ってからも積極的に練習に参加してくれていると思います。シュウヘイの課題は、足元の技術の向上だと思います。ボールをしっかりトラップして、インサイドキック、インステップキックがしっかり蹴れるようになると、サッカーがもっと楽しくなると思います。また、ポジショニングについて、まだボールに引き寄せられて本来のポジションとは別のポジションでプレーしてしまうことがありますが、ポジションを意識してプレーできるようになると組織的に相手を崩して攻めたり守ったりがもっと簡単にできるようになると思います。フォーメーションの各ポジションに求められる動きを意識して、味方の位置、敵の位置、自分自身の位置を確認しながら自分でポジション修正できるようにぜひ意識してみてください。
セリナ
相手からボールを奪ったり、相手のボールを止めにいくタイミングがとても良いと思います。またポジションに求められる役割を理解して動いてくれていたのは素晴らしかったと思います。相手とのぶつかり合いを恐れない勇気も素晴らしいと思います。今回の練習試合では主に右サイドハーフを担当してもらいましたが、随所で相手の攻撃を止めてボールを前に蹴り出してくれていたと思います。セリナの課題としてはシュウヘイと同様に足元の技術の向上だと思います。トラップして、インサイドキック、インステップキックがしっかり蹴れるようになると今までと違った景色が見られるようになってサッカーがもっと楽しくなると思います。ぜひお兄さんと一緒に練習してみてください。
シンタロウ
最近成長が著しいです。キックも上手になってきてディフェンスラインでボールを大きくクリアするシーンも増えてきたと思います。また、ディフェンス意識が高く、サイド攻撃を受けている時に首を振りながら、中央を固めに戻り走ることが多く、全体をみながらプレーできる視野の広さは素晴らしいと思います。キックは上手になってきましたが、引き続き、インサイド、インステップと蹴り分けられるようになるともっとプレーの幅が広がると思います。また、ボールを持ってからのパスかドリブルの判断のスピードも上げていけるとよいと思います。最近は相手からボールを奪う際に勇気を持って飛び込んでいけるようになってきましたが、浮き玉を少し怖がってしまう時もあるので、ボールを上に投げてキャッチする練習などをしながらボールを最後まで見て、落ちてくるボールがバウンドする前に相手選手よりも先に足で触れるようになるとゲームを優位に進められるようになると思うのでぜひ意識してもらいたいと思います。
富ヶ谷はBチームに人数が足りず、AチームとABチーム混合チームの2チームで試合に臨み、結果として、両チームとも勝ち越しで試合を終えることができました。赤坂SCはおそらく1年生を中心としたチーム、千駄谷はBチームが主体のチームだったようですが、8人制の初めての試合としてはちょうど良い対戦相手だったと思います。
【試合結果】
Aチーム
vs赤坂SC 0-0
vs千駄谷 2-0 得点:ケイヒル、コウノスケ
vs赤坂SC 2-0 得点:エイタ、コウノスケ
vs千駄谷 2-0 得点:ケイヒル、シュウ
Bチーム
vs赤坂SC 0-0
vs千駄谷 1-1 得点:コウノスケ、
vs赤坂SC 2-0 得点:エイタ×2
vs千駄谷 1-0 得点:アサヒ
【戦評】
試合前、選手たちには、(1)オフサイドのルール、(2)8人制サッカーにおけるフォーメーションの種類、(3)富ヶ谷2年生チームで採用するフォーメーションの特徴、(4)相手のフォーメーションによってディフェンスの仕方が異なってくることなどを説明しました。
相手のフォーメーションによってディフェンスの仕方が変わる、となると、とても複雑そうに感じますが、どのフォーメーションに対しても、(1)基本的にはセンターバックの一人をカバーリングの選手として余らせること、(2)相手のディフェンスラインには一人一人マークは付けず、フォワードの選手が複数の相手ディフェンダーの動きに対応すること、(3)上記(2)に関連してボールを保持している相手のディフェンスラインに対してこちらのフォワードがプレスをかける局面では、相手ディフェンスのパス回しに連動してボールを追いかけつつも、相手ディフェンスのパスミスやトラップミスなどの場合を除いて、基本的には無理に追いかけてボールを取り切らなくても良い事という共通のルールを置くことで、相手がどのフォーメーションであっても、その他のポジションでは、単純に近接する相手にマークをはめていくだけで、中盤では数的同数、自陣ゴール付近では数的優位を保つことができるようになります(ただし、マークが突破された場合はこの限りではないので、その際は近接する選手が1人ずつマークをずらして対応する必要があります)。
1年生の時からフォーメーションでの守備に慣れていたためか、どの選手も概ね組織的な守備についての概念を理解できている様子で、選手たちに、「この場合はだれがマークに付くかな?」と質問しながらマークを確認していくと、適切なマークのつき方を自ら考えて言い当てていました(とは言え、実際の試合では、そもそも自分のポジションを忘れて、自由に上がったり下がったりしてしまう選手も少なくなく、せっかくのディフェンス戦術が機能しなくなってしまうので、攻守の切り替えの際には、ポジション修正を促しました。今後はポジション修正は外からの声がなくても自分で周囲の状況を確認して、自ら判断、調整していけるよう、徐々に慣れていってほしいと思います。)
相手が富谷戦に対してレベルを下げてきていたこともありますが、結果的にAチームの方では、このディフェンス戦術は機能していたと思います。Aチームの方は4試合を通じてシュート被弾数は2本程度で、終始全線でボールを奪い、ショートカウンターでシュートまでつなげる展開を見せてくれました。Bチームの方も対千駄ヶ谷戦の1本目では相手のシュート数の方が多かったですが、その他の試合ではほとんど相手からシュートを打たれることなく優勢に試合を進めてくれました。
しかし、今後区民大会などで競合と対戦していく中では、一つのフェイントや、個人のスピードで簡単にマークを外されピンチを招くシーンも出てくると思います。選手たちには、マークを外された際にマークをずらして連動して守る意識や、そもそも1対1で簡単に抜かれないよう1対1の守備の強化も意識を持ってもらうよう指導していきたいと思います。
なお、オフサイドのルールについては、オフェンス面、ディフェンス面でそれぞれ考えるべきことは異なりますが、ディフェンスに関して、これまで自分たちが攻めている時にセンターバックが自陣のゴール付近に留まってしまうことがよくありましたが、そうしてしまうと、相手ゴール付近の集団と自陣に留まるセンターバックの間に無駄にスペースができてしまい、そのスペースにボールが転がってきた時に相手に先にボールを取られてしまい攻め込まれてしまうため、ディフェンスラインは上げておいた方が良いのですが、オフサイドのルールの下では自分たちが攻めている時にはディフェンスラインを相手のオフェンスよりも前に押し上げる事で相手オフェンスの選手をオフサイドにすることができる事などを説明し、また、センターラインよりも相手の陣地側にいる相手選手については、こちらのディフェンスラインよりも後ろでボールを受けてもオフサイドにならないため、その対策として、相手陣地内にいる時は、相手の最前線よりもディフェンスラインを下げて対応する必要があることなどを説明しながらその動きを確認しましたが、選手たちは一様に理解できている様子でした。
また、Aチームの方は、最近試しているキックの上手なアサヒやコウノスケをディフェンスラインに下げてビルドアップの起点とする作戦を8人制でも試していたところ、アサヒもコウノスケも随所に短いタッチ数で前線に素晴らしいボールをフィードして攻撃の起点になってくれていましたが、ここを狙われてボールを奪われピンチになるシーンも見られました。これはディフェンスの最終ラインで相手にボールを奪われるリスクがありつつも、そのリスクを取ってでも最終ラインからボールをしっかり回していこうという戦術であるため、ある程度仕方のない部分ではあります。今回はボールを奪われた選手が自らリカバリーし、コンビを組むセンターバックの選手のカバーリングもあり失点には至りませんでしたが、今後強豪と対峙していくときに、失点につながるリスクもあるので、今後もディフェンスラインのパス回しでボールを奪われた際のカウンターは警戒しながら、そもそもボールを奪われないような動きは改善していけたらと思います。これは、アサヒやコウノスケに限らず、AチームでもBチームでもボランチやセンターバックでプレーする可能性のある選手全員にお願いしたいことですが、ボールを受ける前からの首振りで相手選手との距離や、パスの選択肢の確認などの状況を判断し、素早く仲間に簡単に繋いだ方が良いのか、少し余裕を持ってパスできるのか判断していくことや、ワンステップでキックできるように、どんな状況でもしっかり足元でボールを落ち着かせるトラップの精度を上げていく事などはぜひ意識してもらいたいと思います。
Bチームの方は、まだどうしてもボールに引き付けられてしまう選手が多く、試合前に確認していたフォーメーションから離れ、思い思いのポジションでプレーをしてしまう選手が多く見られました(Aチームの選手も何人かはそうですが)。そうしてしまうとせっかくのディフェンス戦術が機能せず、お団子状態になって空いたスペースを簡単に使われて、相手が攻撃をしやすい状況を作り出してしまうので、選手達にはぜひ、プレー中に首を振って、味方の位置、敵の位置、自分自身の位置を確認しながら自分でポジション修正する感覚を身に着けてほしいと思います。
攻撃面については、特に事前に指導は行いませんでしたが、オフサイドになる選手が、何人か出ていたので、試合の合間に、オフサイドを取られないためにどう動けば良いか考えてもらう時間を設けて、直線的にディフェンスの裏に走りこむのではなく、パスのタイミングを見ながらオフサイドラインに向かって膨らんでから裏に抜けることでオフサイドを取られづらくなることなどを確認しました。また、スローインやコーナーキックでよくある動きとして、最初から裏のスペースに走りこんでその場で立ったまま動かずにボールを待ってしまう選手がいますが、そうすると、すぐにマークに付かれてしまい、せっかくできていたスペースを潰してしまうことになるため、オフサイドと同様にあえて、前に行くのを我慢して、相手を引き付けてスペースを自分から作っていくような動きも今後練習に取り入れていきたいと思います。
攻撃面ではもう一点、これは前回の区民大会からの継続的な課題ではありますが、得点力の強化は大きな課題だと思っています。今回、ABチームともに1試合ごとに10本近くのシュートを放ちながら、決めきれないシーンが何度も見られました。今回は特に初めての8人制での大きなコートでの試合だったこともあり、シュートの距離感や強さを測りかねている選手が多かったようですが、途中のゲーム終了後の振り返りで、「シュートはゴールへのパス」だよと伝えたところ、ケイヒルがインサイドでコースを狙ってしっかりゴール隅にパスしてゴールを決めてくれたのが印象的でした。今後も、しっかりとコースを狙っていく練習、また、ペナルティエリアからでもゴールを狙えるようなシュート力の強化は課題として練習に取り入れていきたいと思います。
また、サイドからの縦への突破に対して相手が守備を集めて対応していたので、逆サイドでフリーの仲間がいる事、縦の動きを警戒する相手に対して、横パスは比較的繋ぎやすい事などを踏まえてサイドチェンジして攻撃を組み立てる事にチャレンジするよう促しました。縦が詰まった場合は後ろに戻したり、横に繋いで攻撃を組み立て直す動きなどは今後練習に取り入れて行きたいと思います。以上のように守備面、攻撃面で課題は見られましたが、総じて初めての8人制としては上出来だったと思います。AB両チームの選手とも、とても高い順応力、理解力を見せてくれました。秋季リーグはまだ6人制で行われますが、今後も機会を見て8人制の練習試合なども組んでいけたらと思います。みんなで頑張っていきましょう!
最後に選手一人一人にアドバイスです。
エイタ
センタリングの意識やラストパスを狙うプレーなど自分が得点するだけではなくチーム全体で得点して勝つための献身的な姿勢が素晴らしかったです。なんども決定機を作り出していましたが、サイドの奥まで駆け上がった後にセンタリングをあげる際に、右足でも左足でもしっかり足と腰を振り切って、ファーサイドまで届くセンタリングが上げられるようになるともっとチャンスメイクができるようになると思うので意識して練習して見てください。また、キーパーと1対1の場面で決めきれない事が何度か見られたので、シュート直前のトラップの方向やシュートのタイミング、トラップしてからシュートするまでの速さ、シュートするコースなども意識してゴールの確率を上げられるように普段から意識して練習に取り組むと良いと思います。
ケイヒル
縦の突破力はケイヒルの素晴らしい武器ですが、ケイヒルのドリブル中に相手が何人も引き寄せられて、逆サイドの仲間がフリーになっていることが多いので、そこを見れるように、そこまでボールをつなげられるようになると、もっと簡単にチームでの得点が望めると思うのでぜひ意識してみてください。中につなぐ選択肢を持つと、ディフェンスの意識も中に集中するので、その時は逆にもっと簡単に縦突破できるようになると思います。最後の得点シーンでは闇雲にシュートするのではなく、しっかりゴールの空いているスペースにパスをしていましたが、周囲のアドバイスを聞いてすぐに実践できる適応力の高さもケイヒルの強みの一つだと思います。スピードにシュート精度が加わると今よりもさらに相手の嫌がるストライカーになれると思います。
シュウ
オフザボールの動きが素晴らしく、ボールホルダーの仲間を追い越して、裏のスペースに抜けるランニングや全体の流れとは敢えて違う動きをして、自分の前にスペースを作りながらボールを待つポジショニングにはセンスを感じます。これはなかなか指導することも難しく、練習しても簡単にできるものではありません。今回もそのポジショニングの良さから何度も決定的なチャンスを作り出していたと思います。あとはシュートの強さ、タイミング、コースの精度も上げていくことで、得点を量産していくことができると思います。ぜひフィニッシュを意識して練習に取り組んで見て欲しいと思います!
ヒロト
豊富な運動量と判断の良さが強みだと思います。プレー中もよく首を振って、チャンスになりそうなところ、ピンチになりそうなところをよく見極めて動いていると思います。初めての8人制でまだ距離感を掴みかねている感じでしたが、攻撃時には球離れよくパスを回して、守備時には素早く相手の攻撃の芽を積んで攻守に活躍してくれました。今回はボランチとサイドハーフでプレーしてもらいました。ボランチは状況に応じて上がったり下がったり、ボールに近づいたり離れたり、ゲームのバランスをとることが求められる難しいポジションですが、今回のゲームではバランスのとれたポジショニングができていたと思います。ボールタッチやトラップ、パスの精度が上がってくると、さらに活躍できるのではないかと思います。ぜひ、練習に励んで欲しいと思います。
コウノスケ
キック力が強く、キックの精度も高く、視野も広いため、ロングパスやシュートに強みのある選手だと思います。今回も3得点と活躍してくれたほか、ボランチで出場した際には、前方に効果的なパスをフィードしてくれました。改善点としては、攻撃から守備へのトランジションの際の守りへの切り替えの速さ、攻め上がった後にディフェンスに戻れる体力がついてくるとより勝利に貢献できる選手になれると思います。また、ボールに集中しすぎてついついボールに引き寄せられてしまったり、攻めたい、守りたい気持ちが強すぎて、本来のポジションから離れたポジショニングをしてしまい、フォーメーションが機能しなくなってしまうことがあるので、味方の位置、敵の位置、自分自身の位置を確認しながら自分でポジション修正できるように意識してもらえると良いと思います。
トウマ
ディフェンスの要として、主に最終ラインでのカバーリングを得意とする選手です。遠くからよく相手のオフェンスの選手の動きを観察して、タイミングを見て一気に距離を詰めて相手の攻撃を刈り取るディフェンスは猛禽類の狩を見ているようで頼もしいです。ただ、仲間が攻め上がっているタイミングでも自陣に留まってしまうところがあるので、そういった時はディフェンスのラインを上げて、ディフェンスラインの底でこぼれ球を処理するなど攻撃への参加ができるようになるとよりチームの勝利に貢献できる選手になると思います。特に8人制がはじまるとオフサイドを有効に活用していくことも必要なため、ディフェンスラインを下げすぎてしまう部分は改善していけたらと思います。また、今後はディフェンスラインでパスを回していく場面も増えていくと思うので、ボールタッチやトラップ、パスの精度を上げていく必要があると思います。ぜひ練習に励んでもらえたらと思います。
アサヒ
キック力、キック精度、ボールタッチなど基礎技術がとても高い選手だと思います。また、プレーの再現性が高く、前回大会でディフェンスラインから少ないタッチ数で、右サイドの前方の裏のスペースへスルーパスを出して攻撃の起点となったシーンがありましたが、これをその後のミニゲームや練習試合などで、意識的に再現しているようです。今後もこのような得意なプレースタイルをたくさん作ってくれたら良いと思います。さらに、その得意技に対して、別の選択肢を作っておくと良いと思います。例えば、先ほどの縦パスを一つの得意技として、縦にパスをすると見せかけてシュートフェイントしてから後ろにいる味方にパスを出す、といった選択肢を追加してみるといった具合です。仮に得意なパターンが5つあるとして、それぞれに別の選択肢を作ると10通りのプレーができるようになります。選択肢を増やすと、相手もどちらを警戒したら良いのか迷い、得意技の成功率も上がっていきます。ぜひ、こうやってプレーの幅を増やしてもらえたらと思います。また、ディフェンスラインではボールを持ちすぎると簡単にボールを奪われて、さらに後ろで守る選手がいないので、大きなピンチにつながりやすいです。簡単にボールを繋ぐ意識を持ち、ボールを奪われた後には焦らず冷静に、しかし素早くディフェンスに切り替えて、仲間と連携してディフェンスを立て直せるよう意識してもらえたらと思います。
カイ
今回キーパーとフィールダーの両方で出場してもらいましたが、フィールダーとしても以前より上手くなっていて驚きました。近代サッカーではキーパーもパス回しやドリブルなど足元の技術が求められるので、キーパー以外の動きもぜひ継続して練習してもらえたらと思います。キーパーとしては、相手との距離感を掴むのがとても上手で、勇気を持って飛び出してセービングができるのも強みです。ボールを取った後にしっかり体を被せてボールを押さえ込む動きも安定感があって良いと思います。ゴールキックの際もより安全な場所を選んで、素早くパスを出せるようになってきたと思います。今後の改善点としては、相手のボールホルダーに応じたポジショニングの修正が上げられると思います。相手がボールをずらすと相手から見たシュートコースはどんどん変化していきますが、その動きに合わせてシュートコースを1番小さくすることが必要です。これをせずに、同じところに止まったままでいると、相手から見たシュートコースが広がって得点しやすくなってしまいます。また、キックの向上は今後も取り組んでもらいたいです。パントキックもだいぶ蹴れるようになってきましたが、まだボールの芯を捉えられていない時がありますし、力を抜くタイミング、力を入れるタイミングを変えることでもっと飛ばせるようになると思います。パントキックと同時にロングキックもぜひ一緒に練習してもらえたらと思います。それぞれ、3年生になるまでに、8人制のフィールドでハーフウェイラインを超えてボールを飛ばすことを目標に練習してみると良いと思います。
ソウジ
とても理解力の高い選手だと思います。事前のミーティングで8人制のフォーメーションの動きを確認している時も、いち早くそれぞれのポジションの動きについて的確な意見を出してくれました。最近はキック力もついてきて今回の練習試合でもロングシュートを狙うシーンが見られました。ソウジは気持ちや理解力とは裏腹に思い通りのプレーができずもどかしい部分もあるのではないかと思います。その原因の一つに体の力みがあるのではないかと思います。私も専門ではありませんが、インターネットで調べてみると、力みを解消するために、テニスボールを両手に持ったまま、ボールタッチする練習(手が力むことで体全体のバランスが崩れてしまうのを防ぐトレーニング)や、 ストレッチのような脱力トレーニングなど色々な手法があるようです。色々と試してみてソウジに合うトレーニングを探してみるのも良いかもしれません。後はやはりプレーの前によく首を振って状況を判断していくことも大事だと思います。球際のボールの取り合いの際に遠慮したり躊躇している場面も見られるので、あまり深く考えずに相手より先にボールに触ることだけに集中してみても良いかもしれません。球際の強さと体の力みが取れるとプレーの質が変わってくるのではないかと思います。ぜひ意識して練習してみてください。
ナオヨシ
とてもテクニックのある選手で、ダブルタッチなど成功率の高いフェイントも身につけています。また、ファーストディフェンダーとしての動きもよく、相手選手をよく観察して相手がスピードに乗って方向転換できないタイミングを狙って相手の動きをブロックするシーンも増えてきました。キックも上手でロングキックも段々と蹴れるようになってきたと思います。課題はボールを奪った後やダブルタッチで相手をかわした後のプレーが続いていかないところだと思います。この点については、無理にボールを運ばずにパスを選択してみるなど、ドリブル以外の選択肢を考えてみるのも一案だと思います。1人を抜いた時点で数的有利を作り出しているので、2人3人と抜いていく必要は必ずしもないのです。パスを出す選手だと思われればその裏をとってドリブルすることでドリブルも改善していくと思います。もう一つは、ドリブルで向かう方向や相手の体の向き、ディフェンスしている方向、自分の体の向きを考えて見ることが大切だと思います。たまに左サイドでボールを持った時に相手のコーナーまでボールを奪われずにドリブルで駆け上がることが最近増えてきたと思いますが、その時に自分の体の向き、相手の体の向き、ドリブルの方向はどうなっているのか、逆にフィールドの中央でドリブルしようとしてなかなか前に進めないときはどうなっているのか考えられるようになるとボールを奪われないドリブルができるようになると思います。ぜひ色々と挑戦してみてください。
シュウヘイ
スピードと左利きが武器の選手です。スピードは富ヶ谷の2年生で1番のスピードスターですし、左利きは、右利きに慣れている相手の逆をつくことができるのでサッカーでは有利とされています。怪我の影響でブランクがありましたが、戻ってからも積極的に練習に参加してくれていると思います。シュウヘイの課題は、足元の技術の向上だと思います。ボールをしっかりトラップして、インサイドキック、インステップキックがしっかり蹴れるようになると、サッカーがもっと楽しくなると思います。また、ポジショニングについて、まだボールに引き寄せられて本来のポジションとは別のポジションでプレーしてしまうことがありますが、ポジションを意識してプレーできるようになると組織的に相手を崩して攻めたり守ったりがもっと簡単にできるようになると思います。フォーメーションの各ポジションに求められる動きを意識して、味方の位置、敵の位置、自分自身の位置を確認しながら自分でポジション修正できるようにぜひ意識してみてください。
セリナ
相手からボールを奪ったり、相手のボールを止めにいくタイミングがとても良いと思います。またポジションに求められる役割を理解して動いてくれていたのは素晴らしかったと思います。相手とのぶつかり合いを恐れない勇気も素晴らしいと思います。今回の練習試合では主に右サイドハーフを担当してもらいましたが、随所で相手の攻撃を止めてボールを前に蹴り出してくれていたと思います。セリナの課題としてはシュウヘイと同様に足元の技術の向上だと思います。トラップして、インサイドキック、インステップキックがしっかり蹴れるようになると今までと違った景色が見られるようになってサッカーがもっと楽しくなると思います。ぜひお兄さんと一緒に練習してみてください。
シンタロウ
最近成長が著しいです。キックも上手になってきてディフェンスラインでボールを大きくクリアするシーンも増えてきたと思います。また、ディフェンス意識が高く、サイド攻撃を受けている時に首を振りながら、中央を固めに戻り走ることが多く、全体をみながらプレーできる視野の広さは素晴らしいと思います。キックは上手になってきましたが、引き続き、インサイド、インステップと蹴り分けられるようになるともっとプレーの幅が広がると思います。また、ボールを持ってからのパスかドリブルの判断のスピードも上げていけるとよいと思います。最近は相手からボールを奪う際に勇気を持って飛び込んでいけるようになってきましたが、浮き玉を少し怖がってしまう時もあるので、ボールを上に投げてキャッチする練習などをしながらボールを最後まで見て、落ちてくるボールがバウンドする前に相手選手よりも先に足で触れるようになるとゲームを優位に進められるようになると思うのでぜひ意識してもらいたいと思います。