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【2年生B】秋季区民大会 決勝リーグ 総括

【2年生B】秋季区民大会 決勝リーグ 総括
内藤です。
代々木八幡宮の例大祭の開かれた9.23(金)秋分の日。

2年生Bチームの秋季区民大会決勝リーグが開催されました。
予選の結果が3位だったのでSIIIリーグ(3位リーグ)での4試合です。

予選では、岩崎コーチのもとで「みんなで楽しむ」をテーマに頑張りました。
岩崎コーチの総括にもあったとおり、競技の視点で見ると、みんなで守ることはできたものの、みんなで攻撃を作ることができなかった、そんな予選でした。

この決勝SIIIリーグでは、みんなで攻撃を作ることをテーマにしてもらおうと思い、「何点取られてもいいから、1点取ろう」というめあてを選手たちと共有しました。

みんなで攻撃を作るために、皆に守ってもらいたい約束の話をしました。
それは、「味方のボールホルダー(ボールを持っている人)に、近づかない」、という約束です。サッカーはチームスポーツですが、その本質を理解していない低学年の頃は、味方がボールを持っているときに、その味方のボールに近づいてしまうという傾向が強くあります。これはチームスポーツとは呼べず、それぞれが個人としてボールを追っかけてしまう集団スポーツであり、いわゆるお団子サッカーと呼ばれるものです。
ボールホルダーに近づかない、つまり離れた場所で待つことで、パスの受け手になれます。これが、攻撃を作るための最初のピースです。

ということで、試合直前の練習で、パス回しでそれを実践してもらいました。
案の定、ボールホルダーに引き寄せられてしまう選手が何人もいました。まだ道程は長いかな、と感じましたが、この日の4試合を通して、「サッカーにはそんな約束がある」、ということを体に覚えてもらうことにしました。

4戦4敗という結果ではありますが、みんなで攻撃を作るという体験を、少なからず実現できた時間帯がいくつかありました。みんなのサッカーに対する理解と感覚を、変えてくれるきっかけになったのではないかと思っています。



■出場選手
シン、カンタ、ケイシ、レンタロウ、ムネヒサ、ソウスケ、ユウヤ、アラタ、フミヒト

■第1試合 vs セントラルB
結果:負け 0-6

初戦キックオフ前、ケイシと喧嘩をして、シンは号泣しながらピッチに入りました(ちなみにそのちょっと前は、反対にケイシが号泣していました)。この二人は普段から喧嘩したり仲良しになったりの繰り返しで、見ていて微笑ましい限りなのですが、これから試合という中で、チームの他のみんなに悪い影響は出ないかな?と少し心配しました。しかし、その他の選手たちは、全員が全員、二人の喧嘩をほのぼのコメディのように楽しんでいました。これを見て、あぁ、この子たちはもうとっくにあたたかい仲間なんだな、と胸が熱くなりました。

さてその初戦。
味方のボールホルダーに近づかない、の実践をしてもらいたいところでしたが、そもそも味方にボールが収まらず(回ってきたボールをうまくトラップすることができず自分のものにできないこと)、相手チームばかりがボールを持っている一方的な展開でした。

攻撃を作る、という目当てにチャレンジするチャンスもないまま、このゲームは終了しました。

後半、ゴールキーパーのケイシは、自らのゴールを捨てて積極的に攻撃参加。そういえばハーフタイムに、後半はゴールキーパーじゃなくて攻めがいい、と要求されたことを思い出します。内藤はそれを却下しましたが、後半は自身の願望に突き動かされていたのかもしれません。選手自身が判断したことなので、そのチャレンジはさせてあげようと思いました。ただ、そうしてガラ空きになった自陣のゴールを、誰に言われるでもなく自分でカバーしにいったアラタには、確かな判断力とチームワーク意識を感じました。

フミヒトは、ペナルティエリアを示すマーカーがずれていたのを直して、審判からグリーンカードをもらった!と嬉しそうに報告をしてくれました。

■第2試合 vs 猿楽
結果:負け 0-7

この試合も、全然相手陣内に入れず、終始押し込まれる展開でした。
ただ、決定的に違ったのは、数回ではあるものの、攻撃の形を作ることに成功した点です。キックオフの際に、ケイシが相手陣内に向けてボールを強く蹴り込みました。予め示し合わせていたようで、そのボールにシンが全力で追走。紛れもなく、これは攻撃の形です。我々コーチ陣の指示したことではありません。普段、Aチームのメンバーがやっていることを真似てみたのだそうです。

自らが考え、気づいて、実践すること。とても素晴らしい体験だと思います。
後半は、ケイシとシンがベンチに下がりましたが、同様のプレーをカンタとユウヤが実践。

得点には届きませんでしたが、みんなで攻撃を作る、というめあてに大きく前進した一戦でした。

■第3試合 vs セントラルD
結果:負け 0-1

猿楽戦のあと、一つみんなに戦術を提示しました。
ボールを持ったら、相手ゴールに向けてロングシュートをしてみようよ、という内容です。実際のところ、そのシュートでゴールを狙う目的はありません。ボールホルダーとしっかり距離をとっているうえでこの戦術を実行すれば、自然とこれが縦パスになるから、という内緒の思惑がありました。ボールを前に送り込むことでどういう事が起きるかを体験してもらう狙いです。

皆が素直にこのプレーを実施してくれたことで、これまでの2戦とは打って変わって、相手陣内でのプレー時間が圧倒的に多くなりました。最初は、縦に送り込まれたボールを追いかけることもなく、自陣内にとどまって眺めるだけの選手ばかりでしたが、次第に、送り込まれたボールめがけて走り込む選手が出てきました。ケイシ、ユウヤ、カンタ、ソウスケです。
縦に送り込まれたボールに2名以上が走り込んでいるという状況。これこそ、サッカーの攻撃の基本形といえます。

その効果を体験したからだと思います。ケイシ、そしてレンタロウは、相手陣内にとどまって、縦に送られるパスを待つようになりました。ある程度の学年になったら、FWは前線にとどまることをティーチングで教えたりするのですが、自分でその意味に気づいたことは貴重な体験だと思います。

いわゆるカウンターという戦い方を実践し始めた富ヶ谷Bチーム。
相手を押し込める時間も増え、攻めて守っての切り替えがテンポよく行われました。中でもカンタは、自身で攻撃に参加した後、全力で戻って自分たちのゴールをしっかり守っていました。ゴールキーパーのシンのスーパーセーブ連発によるところもありますが、1失点にとどまったのは、自分たちが攻撃をしている時間が多かったことを示していると思います。

とはいえ、残念ながら得点はゲットできませんでした。
ただ、かなり得点に近づいたシーンもありました。
相手のシュートをキャッチしたゴールキーパーのシンが、大きく伸びるパントキックでアタッキングサード(コートを縦方向に3分割したときの、一番相手ゴールに近いエリア)にボールを送り込みます。これを、予めそのエリア付近で待ち伏せしていたレンタロウが触ってさらに前に送り、その位置で待ち構えていたケイシがシュート。ゴールキーパーに弾かれてしまいましたが、限りなく得点に近いシーンでした。

■第4試合 vs 渋谷東部B
結果:負け 0-6

いよいよ最後の試合。
めあてに掲げた1得点をあげるための最後のチャンスです。結果こそ大差が開きましたが、攻撃を作るという目標に向けて、試合を重ねて着実な成長を感じさせてくれました。
「何点取られてもいいから、1点を取ろう」。
まさにその目当てにチャレンジしたゲームだったと思います。
何点取れられてもいい=ディフェンスしなくていい、ではありません。攻撃をするためには、相手からボールを取り返す必要があります。ディフェンスは、攻撃の最初の一歩。みんなその事がわかっているから、いつも以上にディフェンスをしていたと思います。ムネヒサはピッチに入る直前、「僕の役割はなんだっけ?」と確認してくれました。「ディフェンスだよ」と伝えると、「わかった!」と答えてゲームに入っていきました。自分たちの攻撃にもしっかりと参加し、相手にボールを奪われると、全力で走って自陣に戻っていました。
ユウヤも、体をしっかり入れたディフェンスで気迫を見せます。相手のコーナーキック、味方のみんながコーナー側に釣り出される中、フミヒトだけはゴール前の中央に陣取り守備を固めていました。
ソウスケはまだ入会して月日が浅いですが、ゲームの中での攻守の動き方を急速に理解してきていると感じました。

会場の保護者のみなさんがその1点を待望する中、大きなチャンスが巡ってきました。
先程の試合同様、ナイスセーブをしたゴールキーパーのシンがパントキックでアタッキングサードへボールを送ります。それを、前線でチャンスを待っていたケイシが抜け出してシュート。残念がらこれもゴールキーパーに弾かれてしまいましたが、大きな”惜しい”手応えとして、チームにしっかりと刻まれたのではないかと感じています。

この秋に、区長杯というトーナメントが予定されています。
それまでに、各自がもうひと伸び、ふた伸びしてくれるよう、練習で働きかけていきたいと思います。

みんな、おつかれさまでした!